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出会い❷ 4月

(今日は高校の入学式)

(不安だ)

えーとクラスは...

3組だ!


「愛華ちゃんおはよー」


「結愛ちゃんおはよー!何組だった?」


「3組だよー」


「同じクラスだねー」


「10回目だ」


「はい鈴城さんはここでその隣は諏訪さんねー」


「ありがとうございます」


「ありがとうございます」


「それではただ今より第100回冬宿高校入学式を挙行します。」

それからしばらく経ったあと

「新入生代表挨拶 3組 鈴城愛華さん」


「はい」


「春の桜が満開になる今日この頃私たち新入生360名は入学の日を迎えます。これからの3年間で将来の進路に向けて学業や親しい友人関係などを築き上げることをここに誓います。令和〇〇年4月8日 新入生代表 鈴城 愛華」


「お疲れー」


「ありがと!結愛ちゃん」


「これにて入学式を閉じます。生徒の皆さんは担任の先生の指示に従って教室に移動してください。」


「あの人ってさっき挨拶してた人だよね」


「そうそうすごいよね」


「はいじゃあ席について」


(ナイスタイミング、先生)


「私の名前は、月羽 萌です」

「じゃあまずは役員決めしまーす」

「最初にクラス委員を決めまーす。男女比関係ないから仲良い子同士でもいいよー」


【先生!私たちやりたいです】


「OK!他にやりたい人いる?」


「じゃあクラス委員は鈴城さんと諏訪さんねー」


「はいじゃあ全員の役割が決まったので、提出物集めまーす」


「たしかに全員集めました」

「今日はもう終わりなのであとは好きにして下さい」

「明日からは遅刻せずに来てね」

「それじゃさようなら」


一同 「さようなら」


「あの、鈴城さんって〇〇ってアイドル好き?」

そう聞いてきたのは月島皐月さん


「うん、この9人組グループだよねー?」


「そうそう」


「私さ、そこにいる結愛と2人で一緒に応援してるよー」


「よかったらさ、3人のグルラ作ってもいい?」


「いいよー私のはこれねー」

「結愛、こっち来て」


「この子同グループ担で意気投合して3人でグルラ作らない?だって」


「いいよー私のはこれねー」


「2人のことしたの名前で呼んでいい?」


【もちろん】


「よろしくね、愛華ちゃん、結愛ちゃん」


「じゃあねー皐月ちゃん」


「じゃあねー」


「そういえば結愛ちゃん、あの件どうなった?」


「近くの病院行ってみて、冬宿総合病院に紹介状書いてもらって今日の17:30〜になった」


「担当の先生って」


「前に愛華が言ってた人だよ」


「じゃあ一緒に行かない?私も結愛ちゃんの診察時間の一つ前だよ」


「心細かったからちょうどよかった」


「このまま行く?」


「ちょっと待ってね」

「お母さんと合流してからでもいい?」


「いいよ」


「結愛、行くよー」


「愛華ちゃんも今日診察あるから一緒に行っていい?」


「もちろんいいよー」


「結愛ちゃんこっちで紹介状渡して」


「これお願いします」


「確かに受け取りました」

「確認もさせていただいたので、こちらのカードで受付番号登録をお願いします」


「これでやるよー!私先やるから見てて!」


「はい、じゃあ結愛の番だよ」


「私もできた」


「えーと婦人科は2階の奧だから案内するわ〜」


「これお願いします」


「私もお願いします」


「じゃあまずは体温を測って下さい」


「36.2℃です」


「36.4℃です」


「分かりました中に入ってお待ち下さい」


「すみません、結愛さんのお母さん少し来ていただいてもよろしいでしょうか」


「はぃ」


「初めまして、結愛さんの担当をさせていただく織元柊羽です。今回は、最初に当たるので事前に伝えておきたい事とかをお聞きする時間を設けさせていただきました。」

「早速ですが何かありますでしょうか」


「今娘が無月経の状態で、どこの病院に行っても過度なストレスが原因の可能性があると言われていて、あの、この事件ご存知ですか?」


「当時中学3年生の子が父親に誘拐・監禁されて、性的な行為をされそうになったり、暴力を振るわれたりした事件のことですよね?」


「そうです。実は私の娘がその被害者で、あれ以来ずっと無月経で、初対面の異性が怖いと話していました」


「ここには同性の先生も在籍しているのに僕を選んだ理由は分かりますか?」


「本人が、いずれ恐怖を乗り越えないといけないことは自覚していると思います。愛華ちゃんから優しい人という話をよく聞いているからこの人なら身を任せられると考えたのではないかと思います。」


「分かりました。」


「今日はどのような診察を予定されていますか?」


「紹介状に書いてある病院と連絡して考えたのですが、本日は血液検査と腹部エコーを予定しています。今後,場合によっては内診をするかもしれません」


「ありがとうございます」


「他に何か伝えておきたいことはありますでしょうか?婦人科以外の話でも大丈夫ですよ」


「あと、月経が止まるまでは重度と言ってもいいくらい生理痛が重たかったということと、今は治まっているんですけど、喘息を持っていることですかね」


「なるほど、それらの点に気をつけて診察させていただきます。喘息のことについては、専門の人に相談させていただきます」

「このあとは、待合室でお待ち下さい」


「はい、失礼しました」


58番の方は診察室2にお入り下さい


「あ、呼ばれたから行くね!」


「う、うん」


「失礼します」


「どうぞ」


「じゃあ今日はいつもの半分の時間でもいい?」


「結愛の分に回すんですかー?」


「そうそう」


「結愛だいぶビクビクしてたからファイティン!」


「やれるだけのことはやるよ!」


「そういえば前に結愛が落ち着かない時はイスよりもベッドに座った方が落ち着くって言ってたよ!」


「本当に!ありがとう」

「じゃあいつものやつやるよ」


「じゃあ愛華ちゃんは次回再来週のこの時間ねー」


「ありがとうございました」


時を同じくして待合室では

59番の方診察室3にお入り下さい


「じゃあ行っておいで」


「う、うん」


「じゃあここでしばらくお待ちください」


(うぁー,一気に緊張してきたー。何か怖いな)


「うっ,シクシクシク」


ガチャ


(ビク)


「あっ,もしかして緊張してる?怖いこと思い出しちゃった?」


コクッと首を縦に振る


「そっかー。じゃあこれ使って」


「あ,あり,ありがとうございます」

「わ,私,去年の夏...グスッ」


「無理して喋んなくていいよ。落ち着くまで待ってるから。ベッド座りたかったら座ってもいいよ」


「あ,あ,ありがとうございます」


「隣座ってもいい?」


「う,うん」

「うっ,うっ,シクシク」


「よしよし。少し落ち着けた?」

「じゃあこれ書いてもらっていい?」


コクッ


「じゃあ自己紹介しよっか!僕は織元柊羽と言います。柊羽くんって呼んでいいよー」


「初めまして諏訪結愛です」


「結愛ちゃんって呼んでいい?」


コクッ


「じゃあ結愛ちゃん,早速だけど今日したい検査について話してもいい?」


「お願いします」


「OK!今日主にしたい検査は血液検査と腹部エコーなんだけどどっちからやる?」


「怖くないんで血液検査お願いします」


「わかったよー。じゃあ準備するからここで待っててねー」


コクッ


「じゃあちょっとこれ腕に巻くよー。」


(少し冷たいなー)


(まじでいい子だなー)

「じゃあ一瞬チクッとするよー」


「え,もう終わったの!全然痛くなかった!」


「昔から採血上手いって言われてたから」


「本当に上手いと思うよ!」

「あ,タメ口になっちゃってました。すみません」


「いいよ!気にしないでね」

「むしろタメ口の方が嬉しいから」

「だいぶ落ち着けた?」


コクッ


「じゃあこのまま腹部エコーしてもいい?」


「頑張ってみる!」


「じゃあここに横になって待っててねー」


「お待たせー。ちょっとスカート捲ってもいい?」


「どうぞ」


「じゃあここの下着たちちょっと下に下げるねー」


(何かわからないけど体が震えてきた。どうしようはっきり言って怖い)


「もしかして怖い?じゃあこっち向きでやるから,怖かったら掴んでもいいよ」


思わず私は手を掴んだ。


「じゃあ冷たいの当ててくねー」


私はここで冷たさにピクッと体が反応してしまった

「あ,ごめんなさい」


「いいよ、よくあることだから気にしないでね」


「よしじゃあ冷たいの拭き取るねー」


「ありがとうございます」


「一応しておきたい検査は終わったけど、まだ時間があるし、結愛ちゃんが一番最後だからゆっくり話していくー?」


「だいぶ落ち着けたので、あの時の話を隣で聞いてもらってもいいですか?」


「いいよー。ただ辛くなったりしたら途中で話すのをやめてもいいからね」


「ありがとうございます。夏休み前最後の登校日の後、家帰っても誰もいないと思ったから,学校帰りにそのまま塾まで行こうとしたけど,知らない人に後をつけられてて,慌てて逃げたら,目の前に突然立ちはだかった人に気絶させられてて,目が覚めたら,知らない廃工場にいて,手足を拘束されていた。帰りたいと言っても体を殴られるし,唯一の条件として,性的な行為をすることと言われたから,嫌と拒んだら,しばらくの間放置されていたけど、ある時、見張りをしていた人たちが,◯×公園の近くと言ってたのを聞いちゃって,たまたま興味があって調べていたモールス信号を警察の人との電話の時に送ったら,愛華の双子のお兄さんたちが気づいて,最終的に見つけてくれたけど,急に知らない人3人が囲んでベッドまで連れて行って服を脱がされて動きを封じられそうになったから,相手を蹴って逃げたけど,その時にされる寸前までやられたから,それ以降怖くてしかたなくって......グスッ...今日に至るって感じです」


「話してくれてありがとう」


ピロロン

「あ,お母さんからだー。夜ご飯作るから先帰るねー。気を付けて帰ってきてね」

「うぁーこれ絶対歩きのコースだー」


「そういえばさぁ,結愛ちゃんって家大淵小学校や中学校に近い?」


「はい。道路一本挟んで真ん前に大淵小学校があります」


「良かったらさ,俺家近いから,一緒にどうかな?って思っただけ」


「いいですよ!」

異性の人の前でこうやって笑えたのはいつぶりだろう。


「俺ちょっと着替えてくるから、ここでしばらく待ってて欲しいけど,見た感じ眠たそうだし,戻ってきたら起こすから寝ててもいいよ!」


「ありがとうございます」


「ふぅーそろそろ帰るよー」


(すやすや)


(安心し切って寝てるー可愛い)

「結愛ちゃん,帰るよー」


「あー,ごめんなさい。あまりにも気持ち良くってー」


「いいよ!じゃあ帰ろっか!」


「はい」


「結愛ちゃんって愛華ちゃんと同じ高校?」


「そうです」


「じゃあ冬宿高校だね。赤いリボンが特徴的だからもしかしてっと思ったけど。懐かしいなー今年から男子もブレザータイプも選べるようになったんだよねー。」


「詳しいんですね」


「あ,言ってなかったけど俺,冬宿高校の卒業生なんだよね!」


「えっ,そうなんですね。私ギリギリで冬宿高校に入ったので,勉強についていけるか不安で。」


「そっかー。そういえばさぁ、連絡先交換しない?」


「いいですよ。私のはこれです」


「ありがとう!わかんないことがあったら聞いてもいいよ!」


ピッ

「これ乗って」


「ありがとうございます」


「結愛ちゃんって好きなアイドルとかいるのー?」

「もしいたら,その人の曲かけてもいいよ!」


「ありがとうございます。私好きな曲ありすぎてどうしよう...」


「プレイリストみたいに結愛ちゃんの好きな曲流してってくれる?」


「やってみます」

(ここはやっぱり大好きなこの曲かな)


「もしかして,〇〇好き?」


「はい!」

「辛い時に乗り越えることができた人たちなので」

「もしかして知ってるんですか!!」


「実は俺の姪っ子がハマってるからねー。会ったら熱弁されてたから」


「あーハマると熱弁しちゃいますよねー。私もそうですけど。」

「って姪っ子さんいるのですか!」


「2つ下の弟が結婚してて子供いるから...実家からの圧力がえぐい」


「あー複雑ですよね」


「良かったらさ2人で写真撮らない?」


「えっ」


「2人が出会えた記念に撮りたいと思ったけどだめかなぁ?」


何この上目遣い...超あざとーい

「いいですよ!」


「やったー!」

「はい,チーズ」


パシャ


「じゃあこれ結愛ちゃんにも送っとくねー」


「ありがとうございます」


「じゃあまたねー。あっ,次回から敬語禁止で!もっと結愛ちゃんと仲良くなりたいしー」


「気をつけます。じゃあまた次回に」

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