新たな発見 6月
テスト4日目
(朝かーってか今日お母さんいないから朝食作らなきゃ)
(ふー間に合ったー)
「いただきます」
(誰もいないとやっぱり静かだなー)
「行ってきます」
ガチャン
「愛華!おはよー」
「おはよ!結愛」
「そっか!今日お母さんいない日か」
「そうそう!朝から準備大変だったよー」
「てかさー今日の科目って文系寄りじゃん」
「うん」
「私絶望的だよー」
「えー、昨日あんなにやったじゃん」
「でもやっぱり不安だよー」
「そっかー、学校着いてからテストに出そうなところ確認する?」
「やったー!ありがとう結愛」
「その代わり、明日の教科、朝の最終確認手伝ってね...」
「オッケー!相変わらず黒い部分出てるよ!」
「マジでーごめんねー!」
「愛華ちゃん、結愛ちゃん、何やってるのー?」
「愛華が今日の科目自信ないからテストに出そうな重要なところ教えてるんだ!」
「そーなんだー!でも今行き詰まってたよね?」
「あはは、バレてたー!」
「ここの問題が何言ってるかよく分からなくてー」
「それは、ここで出てきた人物が提唱した理論だよー」
「皐月ちゃんありがとー!何言ってるかいまいちよく分からなかったから...」
「いいよいいよ、私でよければ教えられるところは教えるから3人で乗り切ってこー!」
「オー!」
2時間後
「今日も無事に終わったねー!」
「あと2教科頑張りたいなー」
「てかさー、午前中で帰れるのマジで神じゃない?」
「ほんとそれ!」
「マジで分かるー!」
「そろそろ帰ろー!」
「じゃーね皐月ちゃんー!」
「皐月ちゃんまたねー」
「また明日ねー愛華ちゃん、結愛ちゃん!」
「じゃーね結愛ー」
「また明日!」
(あ、勉強してたらもうこんな時間!)
「結愛ちゃん!今日の診察終わったら一回、結愛ちゃん家に寄って荷物持って夜ご飯食べに行こー!」
「外食とかいいんですか?」
「結愛ちゃんのお母さんには許可とってるから」
「いつの間に許可とってたんですかー!」
「まーそれは秘密で!」
「いつものやるよー」
「じゃあ、連絡するまで1階の受付あたりで待ってて!」
「はい」
ブゥーブゥー
《準備できたよー》
《今行きます!》
「家着いたら、寝る時に着るやつとか明日の荷物とか全てまとめて持ってきてね!」
「オッケーです!」
「着いたよー」
「ここで待ってるねー」
「じゃあ、手短に荷物まとめてきまーす!」
「荷物重たそうだね、ひとつ持とうか?」
「お願いしまーす!」
「とりあえず荷物は後ろに積んだから、外食先に移動しよっか!」
「はい!後で数1教えてください!!」
「いいよー!ってか話忘れてたんだけど、結愛ちゃんに会って欲しい人がいるんだけど...」
「あのー、私人見知り発動して怖がって相手に迷惑かけちゃうかもしれないんですけど...」
「やっぱり初対面の人は怖い?」
コクッ
「そっかー、もし会ってみて、無理そうだったら目線でもいいから合図してもらっていい?」
「怖かったら俺に引っ付いてもいいからね」
「それなら楽しめそう!」
「良かったー」
「あ、お店着いたよー」
「さっき言ってた人ってあの手を思いっきり振ってる人で合ってます?」
「そうそう、あいつ相変わらず分かりやすいなー」
「やっほー柊羽!」
「前言ってた子ってこの子?」
「そうそう」
「初めまして、諏訪結愛です」
「こっちこそ初めまして、四月一日雷斗です」
(あれ?四月一日って苗字聞いたことがあるような...)
「あ、言い忘れてたわー!梨々香の兄です」
「あー、通りで聞き覚えのある苗字だったんですねー」
「珍しい苗字だからねこいつは」
「ここ2人の関係性気になってると思うけど、高校と大学が一緒で、大学でよく絡むようになった先輩後輩だよー」
「そうだったんですね」
「そろそろ注文頼もっか」
「とりあえずしゃぶしゃぶ系の肉は頼んどくから、2人も食べたいやつ頼みなー」
「結愛ちゃん、先に注文しちゃいなー」
「ありがとう!」
(えーっと、これはマストで食べたいし、これも食べたいけど、食べ切れるかな?)
「結愛ちゃん、食べたいもの全て頼んじゃっていいよー」
「食べきれなくても俺たちが責任もって食べるから安心しなー」
「ありがとうございます!」
(よし、これで注文は確定して良さそう)
「柊羽くん、どうぞ!」
「ありがとー」
「2人とも下の名前で呼びあってて仲いいじゃん」
「俺も結愛ちゃんって呼んでいい?」
「はい!」
「結愛ちゃんって、梨々香のこと知ってるならさー、囲碁将棋部に入った感じ?」
「そうです」
「他にもいっぱい部活あったのにこの部活に入ったのには何か理由あるの?」
「中学生の時に玲於さんに会って、その時、碁盤が視界に入って気になってたら1から丁寧に教えてもらって興味を持ったのと、愛華と同じ高校行きたかったから必死で勉強して今があるんです!」
「そうだったんだねー」
「てか、玲於ってあの鈴城ツインズの?」
「そうですー!」
「愛華ちゃんってあのツインズの妹さん?」
「そうそう」
「実は同い年なんです!」
「なるほどねー」
「あと、近所なんですー!」
「え!!、通りで接点がある訳か」
「ここだけの話なんだけどさー」
「梨々香も高校入った時は人見知りがひどくて誰一人友達がいなかったから、精神的に辛かった頃に玲於のカウンセリング受けて、囲碁を教えてもらって興味持って入部して出会ったのが星花ちゃんたちだったんだよー」
「えー!それは知らなかったです」
「お待たせしました、こちら注文されたものの全てになりまーす」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、食べよっか!」
【いただきます!】
しばらく経ったあと
「俺、ちょっと気分転換に外歩いてきていい?」
「行ってらっしゃい!」
(私はとりあえず手を振った)
「結愛ちゃんって、アニメとかよく見る?」
「はい!」
「このアニメが特に好きです!」
「えー!これ好きなんだー!)
「誰推しとかあるのー?」
「〇〇推しです」
「そーなんだー!じゃあ、このシーンとか好き?」
「このシーンマジで最高にカッコイイです!」
「ちなみに俺はねー、□□推しだよー」
「□□って可愛いですよねー」
「見てても嫉妬しない程度の可愛さなのがまたいいんですよねー」
「でしょー、だから俺惚れたんだー」
「あのー」
「何か聞きたいことある感じ?」
「なんでも聞くよー」
「柊羽くんと同じ大学ってことは〇〇大学の医学部ですか?」
「そう、大学は一緒だったけど、学部が、医学部じゃなくて歯学部ってとこ行ってた」
「そうなんですねー」
「ってことは今、歯医者さんなんですか?」
「そうだよー」
「歯医者さんの人を前にして言うことじゃないんですけど...」
「私、歯医者に行くのが苦手で...」
「そうなんだー」
「もし良ければなんだけど苦手な理由とかって教えてくれる?」
「私、大きな音とかが苦手で、特に機械音が苦手なんですよねー」
「そうだったんだねー」
「ごめんね、だいぶ込み入ったこと聞いちゃって」
「いや、全然気にしてないです」
「お詫びにじゃないけど、こういうものとかって興味ある?」
「あ!、これ欲しかったけど手に入れられなかったやつだー」
「これデータ送ろっか?」
「データを持ってない人に個人的にデータを送るのはOKだから」
「お願いします」
「ってか連絡先教えてくださいよー」
「そーだったー!はい、俺のはこれだよー」
「ありがとうございますー!」
「このデータ欲しかったけど知り合いに持っている人いなかったから嬉しいです」
「良かったー」
「何の話してたのー?」
「あ、柊羽くん!」
「結愛ちゃんが俺の好きなアニメ知ってたからそんな話してた」
「そうです!結構熱くなっちゃって」
「結愛ちゃんが楽しそうなら何よりだよ!」
「そんな結愛ちゃんに話したいことあるんだけど...」
「俺、聞かない方がいい感じ系?」
「いや、むしろ雷斗にもお願いしたいから」
「結愛ちゃん、学校の歯科検診引っかかって病院を受診するようにって紙貰ったでしょ?」
「なんで知ってるんですか?」
「きみのお母さんに相談されたからね」
「もう、お母さんったら」
「って訳で明日の午後から空いてる時間帯ある?」
「俺が同伴するし」
「明日、結構予約入ってるけど15:00~からなら予約1件も入ってないから行けるよー!」
(思わず私は怖さのあまり身震いをした)
「結愛ちゃん、先生たちから急かされるのは嫌?」
「それだけは絶対に嫌!」
「じゃあ、明日頑張れそう?」
「頑張る!」
「オッケーっということで雷斗よろしくねー」
「結愛ちゃん、ちょっとこっちにいい?」
「何ですか?」
「もし明日頑張れたら、〇〇のアクキーとアクスタ買ってあげるよ!」
「いいんですか?」
「もちろんいいよー」
「それなら頑張れそうです!」
「良かったー!」
「柊羽のところ戻ろっか!」
「あいつ、嫉妬しそうだし」
「結愛ちゃん、この後柊羽の家に泊まるんだっけ?」
「そうです」
「問い詰められたら正直に言っていいからねー」
「ありがとうございます!」
「結愛ちゃん行くよー」
「はい」
「雷斗さん今日はありがとうございました」
「結愛ちゃん、じゃーねー!」
「結愛ちゃん、さっき雷斗と何話してたの?」
「雷斗さんに、明日頑張れたらご褒美に何が欲しいか聞かれたので正直に欲しいもの答えました」
「そっか、俺の気にしすぎか」
「なんの事です?」
「内緒!」
「そうですかー」
「はい、帰ってきたよー」
「お邪魔します」
「結愛ちゃん、こっち着いてきてー」
「ここの部屋使ってー」
「ありがとう!」
「帰ってきて早速だけど分からないところある?」
「ここがいまいちよく分からないです」
「ここはねー...」
といったように結愛は柊羽からたくさん分からないところを教えてもらいました
「結愛ちゃん、そろそろお風呂入っちゃいな!」
「一番風呂ありがとうございます!」
「じゃあ、この後俺入るからそこに置いてあるドライヤー使ってね!」
「ありがとう!」
「結愛ちゃん、いつ見てもやっばり可愛いね」
(急に柊羽くんがこう言ってくるから照れちゃって何も言えなかった)
「結愛ちゃん、ここ座ってもらっていい?」
「急にどうしたんですか?」
「俺は、結愛ちゃんのことを何としても守りたいと思ってる」
「そのためなら、彼氏のふりだってなんでもするし、あ!、法に触れない程度ね!だから困ったことがあったら躊躇わずに相談してね!」
「うん」
「おやすみなさい!」
「おやすみー」
(柊羽くん急にどうしたんだろうなー?)
結愛にとって謎が深まる夜になった