テストと 6月
テスト初日
「結愛ちゃん、おはよー」
「愛華ちゃん、おはよー」
「今日は頑張ろー」
「そーだねー」
「皐月ちゃん、おはよー」
「おはよー」
「愛華ちゃん、結愛ちゃんおはよー」
「今日は言語文化と英語コミュニケーションIがあるけど頑張ろー」
【おー】
2時間後
「今日のテストとりあえず終わったねー」
「今日の問題割と簡単じゃなかった？」
「ほんとそれなー」
「え、英語難しくなかった？」
「そっかー、愛華英語そこまで得意じゃなかったよねー」
「へーそうなんだー」
「そうそう、結愛か皐月ちゃん得意なら教えてよー」
「最終日のもう一個に向けてまた勉強しよー」
「オッケー」
「やったー」
「あ！私、今日用事があるから、愛華ちゃん、結愛ちゃん、また明日ねー」
「じゃーねー」
「また明日！」
「じゃあ、結愛帰ろっか！」
「あ、諏訪さんいたー」
「ちょっとこっち来てー」
「先生、どうしたんですか？」
「4月か5月くらいに歯科検診したの覚えてる？」
「はい」
「その結果、病院で診てもらってって...詳しくはこの紙を見て欲しいんだけど...」
「早いうちに行ってこの紙出してねー」
「分かりました」
「じゃあ、気をつけて帰ってねー」
「はい」
「結愛〜先生は何て言ってた？」
「これ見て大方理解してー」
「あー、どうりで戻ってきた時少し落ち込んでたんだねー」
「だって私、歯医者さん行くの苦手だもん」
「そうだよねー」
「とりあえず帰ろっかー」
「うん」
「じゃあ、また明日ねー結愛」
「また明日、愛華」
（うわーどうしよう）
（まーいっか、とりあえずご飯食べて時間まで勉強してよー）
「ただいまー」
「愛華おかえりー」
「凛音兄さん、急に飛び込まないでよー」
「ごめんごめん」
「てかさー、歯医者嫌いの子が行ける歯医者ない？」
「え、結愛ちゃん検診に引っかかったの？」
「言わなくても分かる兄さん天才」
「ありがとう」
「ちょっと探してみるねー」
「まじで感謝」
（やっと着いたー。何か緊張するなー）
68番の方診察室2にお入りください
「失礼します」
「結愛ちゃん！ここ座って」
「ありがとうございます」
「じゃあまずは、この機械に向けて思いっきり息を吸ったあと，ここに息を吐いてもらっていい？」
コクッ
その後もいくつかの検査をした
「次は聴診するねー」
「はぃ」
「力抜いてゆっくり呼吸してねー」
「次，後ろ向いて」
「結愛ちゃん、こっち向き直してもらっていい？」
「はい」
「最後に心電図やりたいんだけど...」
「ちょっと怖い？」
「はぃ」
「そっかー、じゃあ、準備だけして，結愛ちゃんができると思ったタイミングでやろっか」
「それならいけそう？」
コクッ
「部屋が暗いとあの時のことを思い出しちゃうから、この明るさのままがいい」
「オッケー！えーっと、シャツのボタンを全て外してもらって，中に着ているものを上まで上げてもらって、このタオルをかけてもらえば準備はオッケーだよー」
「分かりました...」
（準備はすぐにできたけどやっぱり少し怖いなーでも、ここさえ乗り切れれば怖いことを少しだけ克服できるだろうし頑張ろう）
「結愛ちゃん、準備できた？」
「はい」
「入るよー」
「準備はしっかりとできてるね！」
「このまま出来そう？」
「はぃ、頑張ってみます」
「オッケー！こっちもなるべく早く終わらせられるようにするねー」
「ありがとう」
「まずは手首と足首から機械つけてくねー」
「力抜いてリラックスしてね！このまま寝ちゃってもいいから」
スースー
（寝るの早！）
「今から冷たいのつけてくねー」
「結愛ちゃん、検査終わったよー」
「私寝てました？」
「ぐっすりと寝てたから起こそうか迷ったぐらいだから」
「恥ずかしい...」
「とりあえず服着て，最初に座ってたイスに改めて座ってもらっていい？」
「分かりました」
「お待たせしました」
「今日の検査は以上で終わりです」
「来週には検査結果出てるだろうから、来週のこの時間また来てもらっていい？」
「はい」
「あ、俺との会話の時もタメ口でいいからね」
「いいの？」
「その方が信頼されていると思うから嬉しい」
「分かったー！」
「また来週、悠真くん」
「またねー結愛ちゃん」
「失礼しました」
会計が終わって外に出ると
「結愛ちゃーん、今帰り？乗ってきな、外危ないし」
「ありがとう」
「また木曜日にね！」
「またねー」
結愛が自室で勉強中
「もしもし」
「もしもし、芽衣さん、どうかしましたか？」
「結愛が、学校の歯科検診で引っかかって、病院を受診するようにって紙をもらってきたんですけど，結愛、歯医者苦手で...どっかいいところないですかねー？」
（あ、どうりでさっき元気がなかったのか...）
「一応俺の知り合いに歯医者はいますけど...」
「その方にお願いしたいんだけど...」
「あ、あと、今週の木曜日、一日中家を空けちゃうから，昼間は大丈夫だけど、夜だけでいいから泊めさせてもらえないかな？」
「部屋の空きはあるからいいですよ」
「その日の夜、俺と、結愛ちゃんと、歯医者のやつと3人で外食という形をとってもいいですか？」
「それでお願いしてもらっていい？」
「あ、結愛には秘密で」
「かしこまりました」
「あと、前言ってた件だけど、結愛のこと守り通してあげてね」
「はい、ありがとうございます」
「私も、あなたなら結愛のこと安心して任せられるから」
「今は高校生なので待ちますけど，高校を卒業したら歯止めが効かなくなることだけを知っていてください」
「それぐらいのことは全然気にしないわ〜」
「あ、ごめんなさい、長話しちゃって...」
「いえ、お構いなく」
「未来のお義母さん」
「今日はありがとね」
「では失礼します」
