私のエッセイ~第十一弾:妖精に関する小噺(こばなし)
こんばんは!ご機嫌いかがですか・・・?
・・・今宵は、皆さんも大好きな「妖精」のお話。
まぁ・・・今さら私ごときが説明するまでもありませんよね。皆さんの方が、ずっとお詳しいと思います。
「妖精」って、調べてみると、本当にいろんな種類のがいるんですねぇ・・・。
「ドワーフ」・「ゴブリン」・「コロポックル」・「ノーム」・・・鬼のようなゴツイものから、ちっちゃい小人タイプのものまで、さまざま。
でも、一般的な妖精のイメージとしては、「背中にトンボみたいな透明な羽がいくつも生えた、小さな女の子」って感じじゃないですか・・・?
性質的には、「いたずら好きな小悪魔」ってところでしょうかね。
「妖精」って、とっても素敵な響きですよね。この単語を耳にして、悪いイメージを持つ人って、たぶんいないんじゃないかなぁ・・・?
人をたたえる場合の「形容詞」といいますか、「代名詞」っぽい感じで、この「妖精」は使われることが多いです。
1976年のモントリオールオリンピックの女子体操競技で大活躍した「ナディア・コマネチ」さんは、可憐な容姿と可愛らしい笑顔、そして引き締まった美しいボディにぴったりフィットした白いレオタードから、「白い妖精」などと形容されました。
誰がつけたか知りませんが・・・マジで彼女にピッタリのイメージですよね。
今、YouTubeなどで、その姿を拝見しておりますと、前日に紹介しました映画「地下鉄のザジ」のカトリーヌちゃんに負けないくらい、とってもキュート!
それに引きかえ、「妖怪」って言葉は、あまりいいイメージは持たれませんよね。
なんか、「おどろおどろしい」ものや、「まがまがしい」もの・・・「怪物」とか「化け物」って感じの感覚しかありません。
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「妖精」と「妖怪」・・・これらのイメージとしては、皆さんは、どんな「色彩」を連想しますか?
「妖精」の場合、無垢の純白だったり、「桜色」っぽい薄ピンクだったり。スカイブルーを少し薄めたような水色かもしれませんね。
・・・だいたい、そのあたりに落ちつくんじゃないですか。
でも、「妖怪」となると・・・真っ黒だったり、茶色っぽかったり、そのへんの暗~い色合いのイメージですかな。人によっては、「まっかっか」なんて感じの「深紅」のイメージかもしれませんね。
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人に「おせじ」を言う場合にも、この「妖精」って単語は使われることがありますよね。
「あなたって、『妖精』みたいに可愛いわよね!」とか。
おせじだって分かっていても、こう言われて気を悪くする女性の方って、たぶんいないと思うんですヨ。
でも、これをちょいとひねって、「あなたって、『妖怪』みたいに可愛いいわよね!」なんて言ったら、相手はどんなリアクションするでしょうかね・・・?
・・・たぶん、ひとりの例外もなく、一瞬、「はぁ???」って感じで「思考停止」すると思います(笑)。
「え?何何??『妖怪』!?あたしに面と向かって何言ってるのよ?でも、『可愛い』って言ってくれてるし・・・それって、誉めてるのぉ!?バカにしてんのぉ??」
こんな感じになるんでないの・・・?
ためしに、あなたの職場の女性に、なにげなく言ってごらんなさい。「妖怪みたいにかわいいわよね!」って。どんなリアクションしてくれるかしらね。うふふ。
たぶん・・・いや、100%、次の日から口利いてもらえなくなるわよ(笑)。
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ここまで、チャライ話ばっかだったから・・・この辺でちょいとまじめなお話をいたしやんす。
皆さんは、「コティングリー妖精事件」っていうのを、ご存知でしょうか・・・?
かなり有名な事件なので、ご存知の方、すごく多いと思います。TVでも何度か取り上げましたしね。
くわしくは「ウィキペディア」を参照していただきたいんですが、一言で言うと、「妖精の捏造事件」ですね。
イギリスのブラッドフォード近くのコティングリー村に住む、2人の従姉妹フランシス・グリフィスとエルシー・ライトの二人の少女が、「妖精の写真を撮った!」と言い張り、大騒ぎになったという事件です。
もちろん、これは「捏造」なんですが・・・「Princess Mary's Gift Book」という子供向けの絵本の中の妖精の絵を模写し、それを切り取ったものを自分たちの周りに上手に配置し、撮影したものです。
それを見ると、あたかも本物の妖精が、フランシスとエルシーの周りでたわむれているような錯覚に陥るほど、すごくよく出来た写真でした。
この写真の真偽についての論争は、その後何十年も続き・・・その間彼女らは、「写真は本物だ!」と言い張り続けました。
しかし、高齢者となった彼女たちは、ついに「捏造」であることを認め、長きに渡った「真贋論争」にやっと終止符が打たれました。
写真は全部で5枚撮られたんですが・・・最後の5枚目の写真だけは、彼女たちは死ぬまで「本物だ!」といい続けたそうです。
その写真ですが・・・「The Cottingley Fairies - Historic UK」で検索してみてください。
このサイトのタイトルにかかっている大きな写真、そして、スクロールして次に出てくる「妖精と手を取り合う少女」・・・この二つがその写真です。(あと三枚は、ちょっと見つかりませんでした。ごめんなさい!)
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たしかに二人は、長年世界中をだましていたのですが・・・それでも私は「詐欺師」の印象を二人には感じません。
・・・長年、子供たちに「夢」を与え続けたからです。
「いつかは、妖精に会えるかもしれない!」って素敵な素敵な夢を・・・。
私、思うんですが・・・きっと世界中の家庭で、妖精についてのこんな会話が交わされたんじゃないかと。
「ぬいぐるみ」や「絵本」、そして「オルゴール」・・・そんなものに囲まれた子供の寝室で、毎夜交わされる、母と娘の会話。
シックなナイトガウンに身を包んだ貴婦人の母親が、傍らのベッドの中の愛娘の髪を優しくなでながら話しかける・・・
「おやすみなさい。いい子にしてれば、きっといつか『妖精さんたち』に会えるからね・・・」
すると、愛娘は母親にこう返す・・・
「うん。分かったわ、ママ。あたし、ずーっといい子でいる!」
こういったロマンティックな会話が輝くのは・・・アメリカとかヨーロッパあたりですよね。
残念ながら、わが日本では、こんな構図にはならんでしょうなあ。
ニッポンの「母ちゃん」なんて、会話で「妖精」なんて単語、まず使わないでしょう・・・?
だから、こんな感じになるんでないの?
夜更かしする「あくたれ坊主」の部屋に、ノックもせずにいきなり乗り込んできた、ニッポンの母ちゃん。
「血圧」と「血糖値」がちょいと高めの「小太り」の母ちゃん。
そんな典型的なイメージのニッポンの母ちゃんが、「あくたれ坊主」に放つ「おやすみ」のあいさつは・・・
「ほら、いづまでも起きてねえで、もう寝な!妖怪が出っから!!」
これじゃあ、「ロマンティック」の「ロの字」もありゃしねぇ(笑)。
・・・おあとがよろしいようで。