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2話 お願いと罪

まず一つ目に、 俺の体はなくて意識だけらしい。

体がない状態でしゃべるのは、人間である俺にはかなり難しいことだという。


二つ目にここは、この娘の空間みたいなものだという。

ここは安全らしい。


三つ目に普通、死んだら閻魔様のところに行き、裁判を受け、 天国か地獄を決めるらしい。

また、 天国では100日、地獄では1年から1万年の時を、今まで犯してきた罪に見合う罰を受けた後に、人生を赤ちゃんから記憶を消してやり直すらしい。


なので俺がいきなり記憶を保ったままで転生しようとしたのは絶対普通はあり得ない………らしい。


「さーて、 なんとなく状況は呑み込めたかな? よし、せっかく記憶を保ったまま僕の空間にいるのだから僕のお願いを少し聞いてくれる?」

彼女は、こちらにニヤリと笑みを浮かべ、そう言ってきた。

「お願いを?」

「そう、お願いを………」

「断る!」


その言葉が予想外だったのか、彼女はビックリした表情で見詰めてくる。

俺だって天国に行ってゆっくりしたいのだ、誰かもしらない人のお願いを聞く義理までない。

「えーっと………まじでお願いなんだよ! お願いを聞いてから判断してもいいんじゃないかな?」

「実は君に3つの世界で魔王になってほしいんだよ!」

「はあ? なんで………てか嫌だよ。天国でゆっくりしたいぞ俺だって」


「………僕は一応神様なんだよ?閻魔様より権力自体は上だから僕の判断でも地獄に落とすことは一応可能なんだよ?」


まあ神様ってことは嘘ではないんだろうけど、 地獄に落とされるのは嫌だなあ。

「てか君の記憶を見せてもらったけど………多分天国には行けないと思う。」

神様と言う娘がそんなことを………ちょっと待て。

「は? 天国に行けないのか?」

「だって君は学校でほぼ毎日喧嘩しては警官も殴ったこともあるでしょ?」


俺は悪くはなくねえか?だっていきなり冤罪をかけようとしてきて………


「しかも善良な市民まで手を………」

「おい待て、 流石の俺も善良な奴にまで手を上げたりしねえよ」

全く失礼な奴だ、そんなことを俺がするわけ………

「あれ?気づいてないの?君は他の人と喧嘩してるときにたまに周りの人は流れ弾を食らってるんだよ?」

………


「まじか、それは悪いことをした、なら警察に幼い子を殴ったよねと問われたことも納得だなぁ」


俺は自分から喧嘩をすることはないのだが、売られた喧嘩は買う主義なのだ、幼い子を殴ってしまったのに少し罪悪感が湧いてきた。


「しゃーね、罪滅ぼしとまではいかねえが、 なってやるよ、 魔王に!」

俺は少しだるいと思いながらも、そして少し楽しそうと思ってしまった俺は魔王になることを宣言した。

そして俺の異世界転生の幕がはじまる。



実は神様が言った言葉は善良な市民に手を出したというのは嘘で、なんとなく言ってみたら勝手に勘違いしてくれたのでやったあと思ったらしいですよ。あと一応地獄にはいかなくてもいいっぽい

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