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一話 状況
薄暗い。
視点が動かない、 体の感覚もない………
「!?」
いきなり抗うことのできないほどの力で吸いよられる。
視点は動く、 辺りを見渡せばいろんな色の、 わっかのようなものが沢山ある。
そのなかでも特に異様な気配を漂わせる黒い穴。
吸いよられているのは黒い穴と気づいた。
ヤバい。
必死に抵抗しても体は動かない。
吸われそうになってもうだめかと思った次の瞬間。
「ふぅ、 あぶないあぶない」
状況がよく呑み込めなかったが、 少し幼く見える少女? に助けられた。
そしてなぞの空間に連れてこられた。
少女の口が開く。
「おかしい」
目をつぶりなにか悩んでいる。
そこで俺が抱いていた疑問を問う。
「いったいどういう状況なんだ?」
少女は目をぱっちりと開けて驚いた表情でこちらを見ている。
「は? なんでしゃべれるの!?」
「え? いや、 その前にここがどこなのか、 そして俺はどうなったのか一から状況を説明してくれ」
俺はいったい、 どうなったんだ