第97話 全てを賭けた決断
───何てことだ………。
アンゼシカ(真美)は言葉を失いつつ、大聖剣を片手で担ぎ上げる。あの異形の正体はミリア。図書館でパニックになって涙を流していたのはこれが原因だったのか………。
ヴヴヴヴヴヴ………ああっ………。
正気を失い、無限のD(インフィニティD)のミリアは片手で黒剣を構え、前屈みの体勢。
次にダッシュ。そのスピードは柔軟性の高い獣のように………。
「ミリアさんっ」
アンゼシカ(真美)は声を響かせ、問いかける。
そして大聖剣を振るい、ガード。無限のD(インフィニティD)のミリアのスピードが見切れたのは、アンゼシカ(真美)の洞察力が他のキャラと比べて高いからだ。それでも彼女のスピードは早く、少しでも油断すればコチラが危険である。
───シャアッ!!
無限のD(インフィニティD)のミリアは飢えた声を吐き、中間の位置まで下がり、1回、2回、3回、黒剣を振るう。
アンゼシカ(真美)は大聖剣を振るい、弾き払う。
(どうすれば………)
アンゼシカ(真美)は悩む………。彼女を傷つけたくない為、反撃に抵抗。しかし、対処に限界があり、このままでは自身が危険である。
汝、全てを………。
Dの誘いの声。声がミリアを支配し、攻撃性を高くしている。
───ガアッ!!
無限のD(インフィニティD)のミリアは跳び下がり、そして左右に反復跳びのダッシュしつつ、3発の剣突きを放つ。
「ミリアさんっ!!私です、アン………いや、マスク・ド・aよッ!!正気を取り戻して下さいッ!!」
アンゼシカ(真美)は間違えそうになるが、大聖剣を振るって弾き払いつつガードし、再び問いかける。
うゔっ………マスク………ド、a様………。
無限のD(インフィニティD)のミリアはアンゼシカ(真美)の声に刺激され………片手で頭を抱えて跳び下がる。記憶の中、映し出されるのはマスク・ド・aに抱きついて溺愛しているミリアの姿。
マスク・ド・aさまぁーーーーッ!!
あんな状況、こんな状況………そんな場所で溺愛し、チートじみた察知力を発揮し、発見してくる光景を………。
「まさか………アンタの声に反応して………」
サウルは思いつく。
全てを………破壊………。
汝は我、我は汝………。
「マスク………ド、a様………うゔっ………」
無限のD(インフィニティD)のミリアは苦悶………。
Dの誘いとマスク・ド・aの溺愛癖による記憶が入れ交じり、全身を震わせる。
するとアンゼシカ(真美)は全てを信じ、大聖剣を鞘に納める。
「おい無茶だッ!!アンタ、死ぬぞッ!!」
サウルはアンゼシカ(真美)の行動に驚愕。
「私はマスク・ド・a、ミリアさんを信じますッ!!」
アンゼシカ(真美)は自身の無事を宣言。




