第96話 自我を無くすミリア
汝、我に全てを捧げよ………。
怒り………憎しみ………そして全てを破壊せよ、悲しみを我に………。
Dの囁き………それは命令するように唱え、そして優しく誘うのである。何故なら人間、優しい誘には逆らえない。無限のD(インフィニティD)のミリアは獄炎のような赤黒いオーラを放ち、全身に熱圧を漂わせる。
ワ………た………シ、は………■■■■■■■
無限のD(インフィニティD)のミリアは、Dの誘いの囁きに対し、人が理解してはならない言葉を放ちつつ抗う。まるで手足を拘束され、アゴを2本の指でクイッと持ち上げられ、甘い誘惑を突きつけられている状況。
もし、Dの誘惑に負けたら………それは人間の真理から外れることになる………。
───負けるわけにはいかない………私はDには絶対に屈しない。みんなの為にもそして………アンゼシカお姉様の為にも………。と、皆の光景を浮かべる。
アアアアアアアアッ!!
無限のD(インフィニティD)のミリアは豪炎のオーラを放ち、黒剣を片手で担ぎ、ギロッ………とサウルに狙いを定める。
「クソッタレが………」
サウルは逆境に歪み、絶対絶命。額からは冷や汗がポタポタと流れ落ち、全身に激痛が行き渡っている為、動けない。
ああ、死んだ………と、サウルは覚悟した。
────ッ!!
激しい衝撃が響き渡り、粉塵が発生………。
無限のD(インフィニティD)のミリアの黒剣をガードし、絶命絶命のサウルの前に駆けつけたのはアンゼシカ(真美)。
「アンタは………」
マスク・ド・aの登場にサウルは思わず声を出し、驚く。
「待たせたね、皆が困った時に私は駆けつける。それが私、マスク・ド・aだからねっ」
アンゼシカ(真美)は大聖剣でガードしつつ、後ろのサウルにニコッと伝える。
壊せ………全てを………。
汝は我、我は汝………死、暗黒、終焉を………。
3つの真理を……汝は無限を………。
Dの魔の囁きが、ミリアに誘を仕掛ける。赤黒い液体が包容かつ、優しく精神を包み込み、徐々に支配を開始していく。
───ヴヴヴッ………。
無限のD(インフィニティD)のミリアは跳び下がって黒剣を片手で構え、前屈みの体勢で立て直す。
ああ、ダメだ………ミリアは自我が無くなり、全身から豪炎のオーラを漂わせ、赤黒い熱圧を発生させる。
「そいつを止めてくれ、アイツはミリアだッ!!」
サウルは言った。
「何だって?」
アンゼシカ(真美)は驚愕し、彼女が言っていた言葉を思い出した………。
もし、私がこの声に支配されて何かあったら………。
その時は………私を殺してください………。




