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第94話 人が理解してはならない詠唱



 ミリアの部屋にて書店で購入した書物が光り、ページがペラペラと開かれる………。そしてページに止まり、赤黒い文字が記入されていく………。

 まるで悪魔のような赤黒い輝き………同時に……。

 

 ■■■■■■………■■■■■


 ページには、人が理解してはならない詠唱文字がスラスラと記入され、文字が輝きを放つ。


 ★★★★★★



 無限のD(インフィニティD)のミリアは赤黒いオーラを漂わせ、黒剣を片手で構える。その状態でミリアは思い出す………。


 そこは思い出深い景色………場所は城の外の麦畑。


───おねぇさまっ!!


───ミリア様っ


 アンゼシカにキュートな笑顔で抱きつく幼少のミリア。その光景はあまりにも幸せである。

 こんな幸せが、毎日続けばいいのに………。


 無限のD(インフィニティD)のミリアは記憶の中、アンゼシカとの思い出が浮かび上がる。Dディアブロスに心を支配されてはいけない………と、ミリアはしっかりと精神を安定させる。


「ヲヲヲヲヲヲッ!!」


 異形化したサウルは両手を広げ、飛び掛かる。

 暴走した獣のような瞳をギロリと狙いを定め、次に左の爪を振るう。


───無限のD(インフィニティD)は異形化したサウルを通り抜け、黒剣を片手で掲げていた。


 ■■■■■………■■■■


 無限のD(インフィニティD)は、人が理解してはならない禁断の言葉を放ち、燃え盛る業炎のような赤黒いオーラを漂わす。


「グヲヲヲヲヲヲヲヲヲッ!!」


 異形化したサウルの全身に赤黒い剣撃を与えられ、悲痛の咆哮。同時に振り向き、再び狙いを定める。

 そして、飛び掛かる。


───しかし回避され、地面に爪撃を与え、破壊。

 どこに行った………と、少し眺め………。


 ■■■■■………■■


 無限のD(インフィニティD)は禁断の詠唱を呟きつつ、黒剣を片手で構える。

 次に、異形化したサウルの中間の間合いに移動し、1発、2発、3発、4発………と、赤黒い炎を燃え盛る剣突きを放つ。


「グアアアアアア…………」


 異形化したサウルは剣突きを与えられ、後退。

 後退した同時に右腕を伸ばし、爪撃を振るう。


 ■■■■■■……■■


 無限のD(インフィニティD)は黒剣を振るい、右腕を斬り落とした………。


「ヲヲヲヲヲヲッ!!」


 腕を斬り落とされ、黒い血が空中に広がる。 

 異形化したサウルは落とされた場所を押さえ、苦悶の表情で激高。次に飛び掛かり、台座に移動。

 そして………斬り落とされた場所から腕がバキバキと音を響かせ、再生した。再生した腕はドクドクと血管が脈動し、鳴らすように腕を振り回す。


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