第88話 トレジャーミッションジョーク
岩石の像を撃破し、2人は通路を歩いていた………。
次に階段を降り、さらに同じような通路が行き渡り、迷宮のようだ。アレックスとデビッド、ロメロやマスク・ド・aの皆と無事に合流が出来るだろうか………と、心配してしまう。遺跡の中で仲間とハグれてしまったら、安否確認が出来ないから怖い。
★★★★★★
「ハァッ!!」
ミリアは駆ける。
片手でショートソードを振るい、目の前の骸骨騎士達を次々と斬り伏せる。
「ホラよっ」
サウルは短剣を骸骨騎士の顔にグサッと突き刺し、ドンッと、前蹴りで倒す。次にバッグから小型爆弾を取り出して放り投げ、爆撃。
───通路中には骸骨騎士達の集団がゾロゾロと壁の穴から次々と出現している。10体以上はいるが、岩石の像よりは弱く、全然マシである。
★★★★★★
「やっぱりトレジャーミッションはコレだなッ!!」
サウルは全力でダッシュ。
「言ってる場合ですかっ?」
ミリアも並んでダッシュ。
後方には巨大な鉄球がゴロゴロと通路を転がり、2人はダッシュしている。原因は運悪く、サウルが床スイッチを踏んでしまい、仕掛けられたトラップが発動した。言うまでもないが、鉄球に巻き込まれたら潰されて即死である。
10秒、20秒………全力でダッシュ。鉄球のスピードが速く、徐々に追いつかれつつある。
───ッ!!
2人はイチかバチかの感覚で察知。
左側の通路に跳ぶように曲がる。一方の鉄球は右側の通路に進み、難を逃れた。
「ハァ………ハァ………ハァ………」
ミリアは鉄球による命の危機に息を切らし、壁に身を預ける。
「アハハハハハハッ!!やっぱりトレジャーミッションには鉄球、ここの遺跡を造った人々は分かってるッ!!」
サウルはハイテンション、ケラケラと大笑い。
ある意味、トレジャーミッションならではのジョークだ。遺跡の中に鉄球トラップがないのはそれは遺跡ではない。と、下らない言い伝えが盗賊達の間では広まっているとか広まって無いとか………。
(サウルさん………)
ミリアは困惑し、笑えない………。何故なら人生でこれだけ全力で走ったのは初めてだ。やっぱり、サウルのノリは分からない。
★★★★★★
───しばらく通路を歩いていたら重厚な扉の前に到着した。扉絵には古びた紋章が施されており、かつて繁栄を築いた歴史を物語る。
扉の奥からは、物々しい雰囲気………ここは匂うな………と、サウルはトレジャーミッションによる経験による直感が働く。
───2人は扉を開ける………。




