表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/556

第83話 トラップに掛かるメンバー



 皆は石造りの通路を歩いていた。デビッドが唱えた明り(ライティング)の魔法により、通路に灯りが広がる。壁と天井、地面は古びており、ツタが至るヶ所に行き渡る。空気中、灯りに反射した土埃がキラキラと充満し、小さい虫やネズミがチョロチョロと動き回る。


「きゃあ、虫がっ」


 ミリアは壁にカサカサと動き回るムカデにビックリし、アンゼシカ(真美)に抱きつく。


 アンゼシカ(真美)は恥ずかしい表情を浮かべ、頬をポリポリと搔き、口を開く。


「ミリアさん、あまり引っ付かれると身動きが取りにくいんですけど?」


 乳房を上手く当ててくるミリアにアンゼシカ(真美)は困惑。好かれているのはありがたいが、少しは節度を弁えて欲しいのが本音である。


「だって困惑するマスク・ド・a様はそれはそれは可愛くて、可愛くて〜~~」


 ミリアはデレデレと溺愛してくる。

 

 話聞いてないし………。皆はミリアの溺愛行動には少しは慣れ、ヤレヤレと呆れるのである。


(緊張感の無い奴らだな………)


 サウルは眺める。こんな感じで大丈夫なのか………。


───しかし油断は禁物、壁や地面には仕掛けがあり、トラップが発動する危険性はある。


 ある時は天井から岩が落下したり、ある時は壁からは無数の槍、ある時は落とし穴の床が開き、穴の底には無数の尖った岩などで全身を貫かれ、天に召されて命を落とす人間も珍しくはない。


 

 ★★★★★★


 しばらく歩いていたら広い空地に到着し、辺りを眺め、歩き回る………。壁中にはスリ減った壁画が描かれ、10体の戦士の銅像が設置されている。明り(ライティング)による光に照らされ、銅像の表情に影を残して不気味な姿を表現し、皆を監視するように睨みつけている。

 

 空地の中央に設置されている台座には(何か)が鎮座されていた。(何か)の正体は赤い宝玉、燃え盛る炎のような輝きを放ち、この空地を支配しているような雰囲気である。


「あれが例の?」


 ミリアは(何か)を見て思った。アレが(魔の宝玉)だと………トレジャーミッションって案外………。


 この感じもしかして………。

 

「待てっ」

 

 サウルはこの状況を察知し、思わず声を上げる。 

 何故ならこんな簡単に依頼目的のブツがあるのはオカシイから………。


───赤い宝玉は皆の存在に反応し、赤い輝きを空地中に放つ。そして地面に魔法陣が展開し、皆は魔法陣に巻き込まれた。赤い宝玉の正体は反応タイプの遺跡トラップ、侵入者が来たら反応し、魔法のトラップが発動する仕掛けになっている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ