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第81話 腹を探るサウル



 しばらく森林道を歩いていた。

 木々の枝には小鳥の鳴き声、そして森林中にはその他の動物達の鳴き声が響き渡り、そよ風により木々が揺れる。


「ふぅ………」


 アレックスはいつものクセにより涙を流し、ロングソードを鞘に納めて溜め息。そして皆も戦闘体勢を解いて一段落し、辺りを眺める。先程までモンスターとの戦闘中であり、それを終えた所だ。歩いていたら遭遇し、襲い掛かって来た。

 

 森林道中には5体のオーク死体、3体のゴブリン死体が広がる。


 腕を組み、アンゼシカ(真美)は腕を組み、皆の戦闘光景を眺めていた。私か参加したら一瞬で終わり、皆の成長にならないからだ。


(私が出るまでも無かったね………)


「マスク・ド・a様、私頑張りましたっ」


 ミリアはアンゼシカ(真美)に抱きつき、スリスリと頬を押し付ける。


「………よく頑張ったねミリアさん。中々の成長振りだね」


 アンゼシカ(真美)はミリアの溺愛癖に困惑しつつ、頭をポンポンと撫でる。

  

 2人の光景を見てデビッドとロメロは………。


───アレックスさんっ!!


「気持ち悪いからやめろよ?」


 デビッドとパンツ一丁姿のロメロの提案を察知し、アレックスは冷や汗を流し、拒否。


「ラブ・ハラスメントです」


「ラブ・ハラスメントです………」


 デビッドとパンツ一丁姿のロメロはスリスリと忍び足でアレックスに迫る。まるで獲物を狙う目で………。


「だから何だよラブ・ハラスメントって!!」


 アレックスは青ざめ、逃げ惑う。捕まったら何をされるか………最近、この2人による冗談が頻発化しており、面倒くさい。


 アンゼシカ(真美)とミリアは3人の可笑しなやり取りに困惑し、沈黙。


「ハハハ、いつみても面白いなぁ。あの2人のノリは」


 サウルは呑気に笑ってアレックスの光景を眺めつつ、ミリアとアンゼシカ(真美)に駆け寄る。

 

 少し沈黙した後、サウルは口を開く………。


「前々から気になっていたんだけど、何が目的?俺達を見守る、いや正確には何でミリアだけを見守ってるんだ?」


 サウルは尋ねる。


「サウルさんっ」


 ミリアはサウルを止める。


「ミリア様だけでなく、私はマスク・ド・a。弱きを助け強きを挫くのが私の役目っ」


「それだけじゃないだろ?盗賊はカンがすぐれるんだ、舐めるなよ………一体、何が目的なんだ?」


 サウルは疑う。何故なら盗賊は察知力が命、その場所の罠やその人間の性格、少しでも怠れば裏切られたり、罠に引っ掛かり、命を落とす。


 言葉に困るアンゼシカ(真美)。そーいえば、コイツはカンが優れる奴だったな………。

 しかし、彼に本当の理由を話す訳にはいかない。


「彼女は………私の知り合いで、私に何かあった時に守って下さるように頼んでいるんですっ。信用できる方です」


 ミリアは誤魔化した。


 サウルは少し考えた後………。


「知り合いね………分かった。今はそう受け止めておくよ」


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