第80話 次の依頼は?
1週間後………。
───場所は王国北中部。
木々が生い茂り、舗装されていない森林道を進み、最奥にてその場所はある。あまり人が行き交っていない為、道には緑が生い茂る。
「たまには俺の依頼を受けてもいいでしょ?」
サウルは活々とした様子で言った。
「ま、今はこれしかなかったからな………」
アレックスはボリボリと面倒くさそうに頭を掻く。
「サウル殿が提案した依頼は初めてです。違う視点から見て、少し楽しみな自分がいます」
「気が合いますねデビッドさん。子供の頃に憧れた宝探しみたいですね」
デビッドの言葉に、パンツ一丁姿のロメロは意気投合。
皆がこれから行うのはトレジャーミッション。
遺跡に赴き、依頼された宝を採取するミッションである。主に盗賊が受ける依頼であるが、依頼によっては当たりハズレがあり、遺跡の中には凶悪なモンスターがいたり、情報が記されていない依頼や、報酬額に合わない内容だったりもする。
場所はサウルが皆と出会う前、見つけたとある遺跡である。
一方のアンゼシカ(真美)は気配を消し、茂みにの中に身を隠し、皆を見守っている。今度こそ、ミリアさんに見つからなければいいが………。
「むっ…………」
アンゼシカ(真美)は察知し、思わず振り向く。
「何で振り向くんですか?マスク・ド・a様?」
茂みの中、アンゼシカ(真美)の背後にはミリアが今にも抱きつこうとする体勢。
「ふふ、もう君に抱きつかれているだけのマスク・ド・a様ではないのさ。たまには察知もするのだよ私も………」
アンゼシカ(真美)はカッコつけ、髪をバサッとかき上げる。いつものメンバーの中に、ミリアがいなかったのでまさか………と、思い、後ろから気配がした為、振り向いたらミリアがいた。自分も多少は成長するのだよ思い知ったか………。
「そんなマスク・ド・a様が大好きッ!!」
ミリアは抱きつき、アンゼシカ(真美)を茂みの中に押し倒し、胸にスリスリと頬ずりし、溺愛。
(ああ〜~~~)
アンゼシカ(真美)は押し倒された状態、苦笑い。
ミリアに抱きつかれるのは嫌いではないが、私にはそんな性癖はない………。
「何やってるんだお前ら?」
アレックスは腕を組み、困惑しつつ尋ねる。そして他のメンバー達は立ち止り、眺めている。
「まぁ………いつもの事です。君たちはいつものように依頼に励みたまえっ」
ビシッと手刀を上げ、カッコつけるアンゼシカ(真美)。誤魔化しているつもりが、変な空気が漂う。
皆はさらに困惑するのである………。




