表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/556

第74話 10年前Part16・社交会


 

 それから数日後………。

 場所は舞踏会の大広間、夜の会場に集まっているのは王国の貴族達。各テーブルには王宮料理が置かれ、大理石の床が広がっている。

 大広間全体を支配し、空中から見下ろすように吊るされているのは巨大なシャンデリア。今日は王族主催の社交会。貴族達はシャンパンが注がれたグラスを片手に持ち、様々な話を繰り広げ、談笑する。

 

「王族主催の社交界に参加して頂き、ありがとうございます………」


 袖無しのドレスを着用したミリアは両手のスカートを軽く上げ、正面の男性侯爵貴族に深々とお辞儀。

 

「これは姫様、王族主催の社交会にお招き頂き、真に光栄でございます」


 男性侯爵貴族は敬意を払い、お辞儀。服装による身だしなみ、礼儀作法や言葉使いは王族に対して最大の忠誠心を表している。王族主催のイベントに呼ばれたら大変名誉な事である。


 ミリアはノンアルコールのシャンパンが注がれたグラスを片手に、参加している貴族達に挨拶して回るのである。


「ミリア姫様っ」


 その1人、とある侯爵家の息子はミリアに挨拶。年はミリアと同年代、ミリアもお辞儀。


 その後、同年代の少年少女の貴族達が次々と駆け寄り、お辞儀するのである。彼らは自身に最大に敬意を払う事で、王族と良い関係を築き、家柄の価値を上げていく事を狙っている。上手く進めば側近大臣に出世したり、結婚相手に選ばれたり、そんな思惑が子供の時から教えられている。



 ★★★★★★

 

 貴族達は社交ダンスを楽しみ、会場にはクラシックな演奏家による音楽が奏でられていた。


 あれは大人の世界。ミリアは社交ダンスの光景を眺めていた………。


「ミリア様………」


 ミリアに声を掛けてきたのはアンゼシカ・ヨハーソン。衣装は軍服コートの姿、ここに招かれた理由は最近の活躍が評価を受け、招待された。


「お姉様………王族主催の社交会に参加頂き、ありがとうございます」


 ミリアはお辞儀。


「招待して頂き、光栄の限りです。そのドレス、お似合いでございます」


 アンゼシカは深々と敬意を払い、頭を下げる。


「あ、ありがとうございます」


 アンゼシカの言葉にミリアはドキッとなる。

 やっぱり、訓練では厳しいけど、アンゼシカお姉様はお姉様だ。


 少し間を置いた後、ミリアは口を開く………。


「あの、お姉様………」


「何でしょう?」


「私と………ダンスの相手をして頂けませんか?」


 ミリアはモジモジした様子で言った。 


「このアンゼシカ・ヨハーソン。喜んでお相手しましょう」


 アンゼシカはミリアの手を取り、ダンス中の貴族達に赴くのである。


 初めての社交ダンスに、不器用なミリア。それをリードするように、アンゼシカは華麗な足さばきでダンスを披露。



 読んで頂きありがとうございます。もし、気に入ればブックマーク、評価ポイント、感想をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ