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第72話 10年前Part14・7年後……。

 



───〈王国軍訓練場〉───


 時刻は昼。あれから7年の年月が流れ、アンゼシカ・ヨハーソンは22歳。今では中規模部隊の隊長を任される立場となっている。幾多の修羅場を潜り抜け、鍛えられた身体。赤髪ロングをなびかせ、マントを広げるアンゼシカは片手で大剣を構え、戦闘訓練中。


「それでは、剣を構えよっ」


 アンゼシカは厳しい声を響かせ、大剣を片手で担ぎ上げる。


「はい、お姉様っ」


 訓練相手はミリア・ミア・シュバルツ、12歳。

 身長は伸び、金髪のロングヘアー。いつもの貴族風ドレスではない。半袖のレザースーツ、下は革ズボンの姿でショートソードを両手で構える。


「お姉様ではないっ。返事はイエス・マムだっ!!」


 アンゼシカは一喝。いつものように優しい彼女ではなく、兵士の隊長として接している。なお、王族も戦闘訓練を実施するのが習わしであり、いくら娘でも厳しく訓練を実施するように陛下から命令を受けている。

 いつも違う雰囲気のアンゼシカに、ミリアは………。


「イエス……マムっ……」


 ミリアは緊張した様子で返事。


「では、掛かって来いっ」


 アンゼシカは片手で大剣を構える。


「イエス……マムっ」


 ミリアはショートソードを両手で構え、駆ける。そしてショートソードを振るう。


 アンゼシカは右に身体を反らし、避ける。


「えいっ」


 ミリアはさらにショートソードを振るう。


 アンゼシカは左側に移動し、回避。


「ハァッ!!」


 ミリアはショートソードを振り下ろす。


「力が入り過ぎだっ!!」


 アンゼシカは左に身体を反らし、避ける。同時に足先を突き出し、ミリアを引っ掛ける。


「きゃっ」


 ミリアは足に引っ掛かり、ゴロゴロと地面に転倒した。


「立て、まだ訓練は終わってないッ!!」


 アンゼシカは厳しい言葉で片手で大剣をミリアに突きつける。


「イエス………マムっ………」


 アンゼシカの厳しい姿勢にミリアは泣きそうな声を響かせ、ショートソードを構え、そして駆ける。

 何度もアンゼシカに狙いを定め、ショートソードを振るうが、剣すら出さず、1つ1つの動きを見切られ、避けられてしまう。


────ッ!!


 アンゼシカは瞬時のスピードで大剣を振り上げ、ミリアのショートソードを弾き飛ばす。


 ショートソードは空中をクルクルと舞い、グサッと地面に突き刺さる………。


「拾って来いッ!!」


 アンゼシカは怒号。

 あまりの厳しさに、他の訓練兵は騒然している。


「イエス………マム」


 ミリアは涙を流し、地面に突き刺さるショートソードを拾いに行く。



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