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第68話 10年前Part10・アンゼシカの怒り



 戦場から帰還して5日後………。

 アンゼシカは訓練場にて、戦闘訓練に精を出していた。あの戦場で小隊長を任されたのは戦況に余裕があり、どのみち先日の戦場任務では王国軍の勝利を確信していたからと言う理由であり、その場のノリと言う噂がある。

 なお任務完了した後、アンゼシカは小隊長の任は解任された………。

 

 小隊長としての指揮能力ではなく、前線に出て活躍していた印象がある。が、アンゼシカの活躍により勝利に貢献し、死傷者は最小限に抑えられた。

 


───〈王国軍訓練場〉───


「ハァッ!!」


 アンゼシカはいつもの上級兵士相手に剣を交え、白兵戦の訓練。


「良い腕だ、先日の戦場でさらに実力を上げたな………」


 上級兵士は誇らしく笑う。


「まだまだですッ!!」


 アンゼシカは下がり、体勢を立て直す。


「そう言えば、小隊長を任されたらしいな?」


 上級兵士は尋ね、ロングソードを振るう。


「はい、隊長としての指揮能力はアレでしたけど、活躍は出来ました。その後はすぐに解任されましたけどッ!!」


 アンゼシカはロングソードを振るい、受け止める。


「ハハハハッ、1日隊長だなッ!!新兵は最初はそんなもんだッ!!とにかく死ななきゃ実力を認められて小隊長から部隊長、ましては師団長などを任されるッ!!」


 上級兵士はロングソードを振るい、刃を交える。


「恐縮ですッ!!」


 アンゼシカはロングソードを振るい、剣撃の圧で上級兵士を後退させた。同時にロングソードを片手に構えて詠唱、空中に詠唱陣を描いて上級兵士に狙いを定め、炎球を放った。


 炎球は上級兵士の地面に直撃。炎の竜巻をグルグルと出現させ、周辺に炎の鱗粉を展開。


「魔法の腕も上がったな………お前ならさらに高みを目指せる気がするぞ」


 上級兵士は大きく下がり、引きつった表情で苦笑いを浮かべる。炎球を回避出来なかったら死んでいた。


「ありがとう………ございます」


 アンゼシカは息を切らし、感謝の返答。

 魔力を大量に消費した事により、疲労感が全身に行き渡る。


 アンゼシカが放った魔法により、訓練場にいる全ての兵士達はアンゼシカに注目し、言葉を失う。

 

 ★★★★★★


 休憩中………アンゼシカはベンチに座り、給水。


「大した活躍だな?」


 アンゼシカの前に3人の若い男性兵士が絡んできた。


「何の用ですか?」


 アンゼシカは尋ねる。


「先日の任務で、小隊長を任せられたんだよな?」 

  

「何が言いたいのですか?」


「知っているぜ、姫様のお守りをしてるんだよな?それでアレか?姫様からの口利きを使ったんじゃねーの?」

  

 1人の兵士は嫌味。


「違います」


 アンゼシカは否定。相手をしたらキリがないし、相手をしたら負け、そこは大人だ。


「へ、ガキンチョのお守りで出世出来るなんて良い身分だなっ」


 兵士の嫌味に、他の兵士達はケラケラとギャグのように笑い上げる。


 ミリア様をガキ、だと?………  

  あの方がどんな気持ちで………


 アンゼシカの頭の中に、ミリア様の無垢な笑顔が浮かび上がる。そして………何かがキレた。

 




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