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第64話 10年前Part6・チェス勝負




 深紅のカーペットが広がる廊下を歩き、ドアの前に止まり、そしてドアをノック。


「失礼致します」


 アンゼシカはドアを開き、部屋に入室。


「アンゼシカお姉様ッ!!」


 戦場から帰還したアンゼシカをミリアは抱きつくようにタックル。ミリアはアンゼシカにすっかり懐いており、部屋に入ってきたら愛のタックルが恒例となっている。全力で抱きついてくるミリアの上目遣いはとても愛らしく、戦場で傷ついた心が癒される。


「只今戻りましたミリア様………」


 軍服コート姿のアンゼシカは笑み浮かべ、抱きつくミリアの後ろ頭をポンポンと撫でる………。私はミリア様に感謝している。何故なら戦場で戦うしか出来ない自分が感情の無い殺戮兵器にならずに、彼女の笑顔を見たら人間でいられるからだ。


 今日は何をしよう?勉強は間に合っている程、ミリアは知識が豊富である。するとミリア、棚から何かを持って来た。


「お姉様、チェスをしよーーー」


 ミリアはチェス盤を持って来た。


 アンゼシカは関心した様子で頷き………。


「チェスですか…………良いでしょう。このアンゼシカ、お相手をいたしましょう………」


 アンゼシカは手を胸に当て、敬礼。自身はチェスの実力には自信がある。


 ★★★★★★


「チェックメイトです。ミリア様」


 アンゼシカはニコニコと一手。


「お姉様、強過ぎ〜〜~大人気ない〜〜~」


 ミリアはプンプン。

 只今チェスの最中、アンゼシカは最後の一手で勝利を確実にする。


「申し訳ありませんミリア様」


 アンゼシカはビクッとお辞儀。やはりここはあえて負けるのが良かったか………。少し本気を出してしまった、何故ならミリア様は5歳児とは思えない程、少し強かったからだ。


「もうひと勝負っ」


 その後、ミリア様にチェスと付き合う事になる。


 1卓、2卓、3卓、4卓、5卓…………と、連戦。それでもアンゼシカが連戦連勝し、何度も勝ってしまったので………。


(……………)


 ミリアは椅子に座り、アンゼシカに背中を向けてプンプン、そしてぷるぷると半泣きの様子。


「申し訳ありませんっ」


 アンゼシカは頭を下げる。


 10分間………ミリア様に口を聞いてはくれなくなった。こう見えて、ミリア様は負けず嫌い。

 

 その後、機嫌を取り戻し、仲良くなった………。いつかチェスで強くなってアンゼシカお姉様を負かしてやるんだから………と、対抗心を燃やし、決意する。

 



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