第63話 10年前Part5・私が戦う理由
───〈王国軍訓練場〉────
王都から北東の方向に進み、2キロ離れた場所。空き地が行き渡り、レンガで積み上げられた防壁。地面は芝生。兵士達が戦闘訓練を実施中である。
高い士気を漂わせ、兵士達は剣、槍を交えていたり、クロスボウの歩兵達は防壁に身を乗り出し、狙撃訓練。
「ハァッ!!」
アンゼシカは上級兵士の男性と剣を交え、白兵戦。
「アンゼシカ、魔法も使えッ!!」
上級兵士の男性は怒号。
「はいっ」
アンゼシカは返事。そして下がり、体勢を整える。
★★★★★
数日前………アンゼシカは中年男性の大臣の執務室に呼ばれ………。
「アンゼシカ、お前は魔法も使えるようになれ。その実力を姫様を、国を護る為に使うんだ」
「了解しました」
アンゼシカは敬礼。そして大臣に魔法の書物を渡される。
★★★★★
「風よっ」
アンゼシカは風属性の魔法を唱え、つむじ風を上級兵士に放つ。
「踏み込みがあまいッ!!」
上級兵士は気迫。ロングソードを振るい、つむじ風を一蹴し、消滅させる。
「炎よっ」
アンゼシカは炎属性の魔法を唱え、火球を放つ。
「そんなものかッ!!そんなんじゃ戦場で死ぬぞッ!!」
上級兵士は歴戦の勘を発揮し、火球を体を反らして回避。同時にロングソードを振るう。
「くっ………」
アンゼシカはロングソードを構え、受け止める。
「軽い、そんなモノでは何も守れないぞッ!!」
上級兵士は剣圧でアンゼシカを後退させ、怒号。
「ハァ………ハァ………ハァ………」
後退したアンゼシカは険しい表情を浮かべて息を整え、ロングソードを構える。
★★★★★★
────王国東部にて、とある戦場。
内容は東の隣国ノーザンブリア共和国出身の反対派勢力が王国東部に侵入し、国内にて活動している反王国派勢力と合流する情報が入り、逮捕の命令が下った。しかし、共和国反対派勢力は武装しており、武力行使を実施してきた。
───〈王国東部・国境付近での平原〉───
王国大部隊は武力行使を実施。アンゼシカはロングソードを振るい、戦場を駆ける。次々と共和国の反対派勢力の構成員を撃破し、前進。
────ッ!!
敵側の反対派勢力は大砲台を設置し、砲撃。
砲撃による爆発が戦場中に響き渡り、兵士達は爆撃に巻き込まれ、戦死していく。砲撃に直撃するば肉片すら残らない………。
アンゼシカは熱が充満した黒煙の爆風に巻き込まれながら、駆ける。
「炎よッ!!」
アンゼシカは魔法を唱える。火球を放ち、4名の敵の構成員を撃破。そして敵兵の死体を通り抜け、次々と撃破。
私は必ず帰る………生きて、姫様の元へ………
戦場でどれだけの人間を殺していても、彼女(ミリア様)の笑顔を見たら、人間を保つ事が出来る。
その為なら、私は殺戮兵器でもなってやる………。
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