第61話 10年前Part3・アンゼシカの戦場
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250年前、王国建国時には多くの民族が存在した。
しかし彼らは対立し、武力の支配を主張するファフニール族と平和を愛するクウガ族。そして双方に協力する民族達により民族紛争が勃発し、当時の王国の治安は最悪であった。そこで王国軍が武力介入し、鎮圧した。その後、民族や宗教、文化派の人間を支配政策が作られ、現在に至る。
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───〈王国地域・南部〉───
1週間後、アンゼシカ・ヨハーソンは戦場にいた。任務は民族主義の武装集団の殲滅作戦、場所は山々に囲まれ、放棄された廃墟。王国の政策に反対し、各地域や町において破壊工作、歴史や文化、宗教、そして王国に対する反対抗議運動、一部の民族主義の団体は町や村を襲撃活動などを実施している為、殲滅対象にされた。
───殲滅開始、武装勢力を無力化せよ。
昼頃、指揮官の指令に応え、新兵アンゼシカ・ヨハーソンが所属する部隊は森丘地帯を駆け抜け、武装勢力が拠点にしている廃墟の町に進行開始。
蒸し暑い気温。木々が辺りに行き渡り、木々のスキマから陽光。木影にはクロスボウを武装した武装民族が射撃を開始。何体の構成員が隠れているか不明、矢が直撃し、次々と倒れていく王国兵士達。
「ハァッ!!」
アンゼシカはロングソードを振るい、構成員を斬り伏せる。顔中に敵の返り血を浴び、1体、2体、3体………構成員を次々と撃破。
すると、木影に身を隠した構成員のクロスボウの1本の矢が右肩に突き刺さり、激痛が行き渡り、鮮血が広がる。
「火炎の球撃ッ!!」
3人の王国軍魔法使いは詠唱、火炎の球を出現させ、木影に潜む構成員に狙い、放つ。火炎爆発により、クロスボウを武装した構成員は焼死。形すら残らない。
そして………燃え盛る炎、空中には煙が広がる森丘をアンゼシカと兵士達は駆ける。矢が刺さる激痛に耐えながら走るアンゼシカ、額からは汗が流れ、湿気により体力を消耗していく。
敵味方の死体を乗り越え、アンゼシカは敵の構成員を次々と斬り伏せる。
魔法使いが放つ火炎の球による爆発。敵兵が放つクロスボウの矢が行き渡り、地獄だ。
───ッ!!
アンゼシカは察知。ロングソードを振るい、至るヶ所から放たれるクロスボウの矢を斬り弾く。察知力は戦場によって養われ、自身を成長させる。
兵士の命は羽のように軽く、どんな強い人間でも戦場で下手な判断ミスをすれば死である。
そして………敵の拠点としている廃墟の町に到達。
そこからは一方的な制圧、中央広地には頭を押さえ、屈んだ体勢で並べられているのは4人の構成員。
しかし………王国軍の命令は、野蛮な武装勢力は処刑せよ。王国に仇なす者は、万死に値する。
王国軍の兵士は………ロングソードを振り下ろす。
────廃墟の町に斬撃の音が響き、野蛮な構成員達は首を切断され、処刑された。
「うぷっ…………」
手を後ろに組み、アンゼシカは吐き気を耐えながら処刑の光景を見送る。
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