第57話 騒動の後
(……………)
アンゼシカ(真美)はベッドの上で仰向けに寝転び、ある言葉を思い浮かべていた………。ちなみにここは街にある安宿、城から出る時、くすねてきた金貨10枚で長期滞在させてもらっている。
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───ミリアを………我が孫娘を………奴から救ってくれ。そして最後の試練を、オヌシは迎える事になるであろう………。
★★★★★★
レオナルド・ミア・シュバルツの言葉を記憶に思い出す。
───最後の試練………。
アンゼシカ(真美)は思い浮かべる。恐らく最後のエンディングにおける重要なイベントであり、本来、試練を迎えるのはミリアであり、しかしミリアはDiablosに心に憑依されており実質ラスボス。試練を受けるのはアンゼシカ(真美)になっていた。
───漆黒の空間にて、私は目の間にいる異形に向き合う。
宝石のような金髪、角を生やした隻眼のマスク。赤黒い長殻のショルダーアーマー、ビキニアーマー、両腕にはガントレットグローブ、そして脚部にフットアーマー。
赤黒いオーラを漂わせ、誘うように鋭い爪を生やしたグローブの手を伸ばす。
私は手を伸ばし、異形の手を合わせようと………。
───ミリアッ!!
ミリアは声に驚き、我に返った………。
場所はいつもの冒険者ギルドの酒場、いつものメンバーにいつものテーブルに座り、話し合う。一方のミリアは剣傷を与えられたヶ所には包帯、至るヶ所は傷だらけである。
「さっきから何をボーっとしてるんだ?」
アレックスは尋ねる。
脱出の際は大変だった、外に出たら王国軍に事情聴取をされ、細かい質問を幾つか尋ねられて、2時間は帰してはもらえなかった。
「えっと………少し疲れて………」
ミリアは頭をポリポリと搔き、答える。何を話していたのか分からない。
「まぁ………そうだな。特にお前はテロの強敵とかち合って、死にかけたんだよな………デビッド、何か収穫あったか?」
アレックスはデビッドに視線を向ける。図書館に行った目的は、ミリアに聞こえてくる謎の声による呪いを解く為、それに関する情報を見つけるのが目的だ。
しかし、反民族支配主義の介入によって、中断していまい、思うような情報を見つけられなかった。
「そうですね………あ、ありました。とっておきの情報を手に入れておきました」
デビッドはポンッと閃き、言った。
「何、それはどんな情報だ?」
アレックスは聞き入る。
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