劇場版ストーリー45
───私は、人の道を外してしまった………。
このままいっその事………悪魔に魂を売り、共和国を、世界を支配するのも悪くない。この血塗られた手では、もう家族には会えない。
(ごめんなさい、パパ、ママ………)
シェバは受け入れようとした………。人の道を外した業火として、まして多くの人々を殺害した罪の裁きとして。
「シェバっ!!」
精神体のシェバの前、現れたのはスアレス。
「パパ?………」
シェバは疑うように視線を向ける。
「遅くなったな我が娘よ。そして大きくなったな………さぁ帰ろう、お家に」と、スアレスは手を差し伸べる。しかし………。
「ごめんなさい………私は帰れない。私はこれまで、多くの人々を殺害したから、パパや亡くなったママに顔向け出来ない………」
シェバは言った。
───するとスアレス、全てを察したかのように………。シェバに降り注ぐ邪悪なる魔核に視線を向け、空中移動をして接近する。そして………聖なる光を宿らせた右手を突き出し、勇敢な表情を浮かべる。
「うちの大事な娘を、返して貰おうか?」
スアレスは差し伸べる光の手を、邪悪なる魔核に触れる。
そして………邪悪なる魔核は内部からヒビ割れ、光が放出する。放出された光により、生と死の狭間の空間は聖なる光に包まれる。
───祭壇にて、スアレスは大きな手でシェバを抱きかかえる。幸い、彼女は気絶しただけであり、命の心配はない。娘に再会し、安心するスアレス。
「何て事だ、我が計画が………世界征服が………。貴様、どうしてくれっ………」
怒りに満ちた表情のスアレスに、祭壇の階段から転落する形で殴り飛ばされるリシャール新総統。妻を殺害し、娘をテロリストに仕立て上げ、その怒りをぶつけたまでだ。あえて殺さなかったのは、逮捕されたら極刑は免れないからだ。
───そのとき………広間入り口に響き渡るけたたましい足音。
「来たか………」
アレックスは察した。
正体は共和国軍の兵士達、首都での騒動をギルド協力で鎮圧した後、デビッドによる魔導念動力でこの場所を特定し、リチャード首相命令の下、出動したのである。
牢屋部屋に閉じ込められていた一般市民は保護され、生き残った工作員達を拘束していく。
「ご協力、感謝します」
共和国の兵士達はミリアに対し、敬礼する。そして、テログループのリーダーのリシャール・マクロンは逮捕され、兵士達に連行されていく………。
共和国の兵士達はシェバに逮捕令を下す。
スアレスは弁護する、娘は彼等に洗脳されていたと………。意志を宿らせた聖剣クラウ・ソラスを介し、シェバの過去を知った。
「いいのパパ………ちゃんと裁きを受けるから」
そう言って、シェバは共和国軍の兵士達に連行される。




