劇場版ストーリー37
───サウルの手作り爆発の威力に、皆は絶句する。サウルが離れろと言ったのはこの為だ。グリーンテンタクルスをいた場所は、草木1本すら生えていない状況であり、煙が立っている。
言うまでもないが、即死である……………。
「なんつーもんを作ったんだお前は?」
アレックスは言う。
「はははは………やり過ぎたな」
サウルは笑い、頭をポリポリと掻く。そしてアレックスには、絶対に使うなと禁止させる。
木の上から、焼け野原を眺めるアンゼシカ、そして隣には光の玉の絵葉。
「あんな爆弾作るなんて、ヤバい奴ですね?」
「あんたが言うなっての」
アンゼシカは絵葉にツッコミのセリフ。ヤバさでは、絵葉と良い勝負だ。
───そして、月を照らす夜のジャングルの道をしばらく進んで行くと、苔を生やしたピラミッドの遺跡に辿り着いた。遺跡を囲むように周囲には森林が生い茂り、神秘的な雰囲気を漂わせている。
ピラミッドの入り口前にて、ミリア達は眺める。
「ここが、例のアジトか………ずいぶんとバチ当たりな所を拠点にしているんだな」
アレックスは言う。
デビッドは杖を構え、再び魔導検索を唱え、周囲に詠唱陣を展開する。ピラミッドの中には多くの魔力をポツポツ反応し、頭の中に映し出される。
「見えました、アジトの中に多くの人々がいましたっ!!しかし敵だけでなく、民間人もいるようです」
「そんな事まで分かるのか?」
アレックスは言う。
「ええ、魔力が高い反応は敵で、反応が小さい物はおそらく民間人だと………」
デビッドは答える。遺跡内部にて、大なり小なりの魔力の反応が頭の中にポツポツと映し出され、それを元に説明するのである。
「捕まっている民間人もいると言う事ですね………救出をしつつ、テロリスト達を制圧しましょう」
ミリアはビシッと手を掲げて言う。雰囲気はただの女の子ではなく、クロフォード王国の王妃としての威勢を発揮し、言うのである。
ミリアの掛け声に、他の仲間達は「応っ」と、一斉に雄叫びを響かせて応え、手を揚げる。
するとデビッドは瞳を閉じて杖を構え、詠唱文を唱えてスラスラと詠唱する。
「とりあえず………念の為にこれを使いますね」
「何だ、それは?」
デビッドの言動に、アレックスは尋ねる。
「それは、後からのお楽しみです」
デビッドはニコッと言った。
「そ、そうか………」と、アレックスは頷き、納得。デビッドによるお楽しみ、気にはなるが、悪いことではない為、期待は出来るだろう…………。
───そして皆は最後の戦いが始まる。(新政府バロム)の本拠地であるピラミッド遺跡の中へ、走る。




