表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

542/556

劇場版ストーリー32




───猿ぐつわを固定され、馬車に押し込まれる。謎の武装集団に誘拐されたシェバ。夜の道をカタカタと揺らし、走る荷台馬車。何処に連れて行かれるのだろう?………と、芋虫の体勢で手足を縛られ、キョロキョロと辺りを眺める。


 しかし、暗くて何も見えない。分かるのは、自身と同じような年頃の少年少女、5名がプルプルと震え………両手と両足に、鎖付きの手錠で拘束されていた。



 時刻は朝、すると………荷台馬車が停止。荷台口の仕切りのシートを広げ、作業服の男性はニヤリと笑う。


「男が3人と、女が2人………どいつもこいつも健康な身体だ。ガキは従順で、それなりに育て甲斐はあるだろう?」


「ご苦労だったな………これは報酬だ」


 作業服の男性の隣に、黒いマントを着用した人物が入って来て、お金が入った麻袋を差し出す。



───そして………荷台馬車から出される子供達。中は広々とした空間で、夏なのに涼しい石造りの屋内になっている。いきなりこの場所に連れてこられた子供達、キョロキョロと辺りを眺めて涙目になる。


 すると、甲冑を着用したスキンヘッドの男性がドアを開いて現れ、子供達はびくっとなる。


「今から訓練を始めるっ!!準備しろっ!!」


 スキンヘッドの男性の怒号に、いきなりの事で理解できない子供達。


「やだぁ〜〜〜お家に帰りたい………」


 泣き出す1人の少年。


 するとスキンヘッドの男性は泣き出す少年を、殴り飛ばす。殴り飛ばされた少年は壁に叩きつけられ、気絶する。


「外に出て訓練だ、今日から俺が貴様らの上官で、貴様らが部下だ。従わなければ、殺す」


 スキンヘッドの男性はそう宣言する。


 それから………シェバは反政府の武装集団の兵士として、育てられるのである。この場所に連れてこられた理由は兵士に育てる為、何故なら子供は従順で、目の前で親を殺害して帰る場所を破壊してしまえば、従順にならざるを得ない。


───彼等は(新政府バロム)。力を崇拝し、人間を魔人の供物として捧げ、合成モンスターを生成したり、強い力を得ることを正当化した奴らだ。


 母親と言う帰る場所を失い、訓練をする日々を送るシェバ。10歳で戦場に出て、殺しの日々と訓練が私を洗脳していく。


「シェバ、お前に知らせだ。お前の父親であるスアレスは死んだ、民族支配を打倒する為に戦って立派な最期だったらしい」


 言ったのはスキンヘッドの男性工作員。始めに私を訓練した教官である。


「そうですか………」


 シェバは言う。漆黒のフード付きのマントに甲冑を装備。戦場を経験した為、体格は鍛えられている。


───情報源は何処から手に入れたのか、父親が死んだ事、そんな事はどうでもいい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ