劇場版ストーリー27
「自分の命が危険だから逃げて………それで処刑するなんてアナタはどうかしてるわっ」
アンゼシカは言った。彼女は戦場における監督の役割をしており、敵前逃亡を図った兵士に攻撃を加え、戦場に戻らせる役割をしているらしい。
「その甘さが、グループを弱くする。ならば貴様に身の程を教えてやる………」
女性工作員はバサッとマントを広げ、漆黒のロングソードを構え、攻勢を仕掛ける。
「早いっ」と、アンゼシカは大聖剣で仕掛けてきた彼女のロングソードを受け止める。例えると彼女のスピードは疾風で、風を切っている。並の人間では彼女のスピードは見切れない。
「私のスピードを見切るなんて、やるな貴様は………」
互いにぶつかり合う刃。ギチギチと渇いた金属音を響かせ、彼女は涼しい表情で投げかける。その様子は多くの戦場を潜り抜け、同時に多くの人間を殺して来たような威圧感を放っている。
「マスク・ド・a様っ」
その様子を、ミリアは声を張り上げる。少しだけ足を踏み入れ、心配して加勢に入ろうとする仕草を見せる。
「ダメです、ミリアさんっ!!」
アンゼシカはピクっと反応し、大きな声でミリアに告げる。加勢はありがたいけど、レベルが違うから………。私の声にミリアは、踏みとどまる。
「仲間を傷つけない為、1人で立ち向かうか………優しい奴よ」
───そして彼女はバックステップで距離を作り、ロングソードを振るって斬撃の嵐を発生させる。
「はぁっ!!」
アンゼシカは斬撃の嵐に対し、大聖剣を振るい、火花を散らして対抗する。しかし………互いは無事では済まない、全身に剣傷が刻まれ、身につける衣類がズタズタになる。
「楽しい、楽しいぞっ!!私とマトモに相手をするとは、貴様が初めてだっ!!」
戦いの中、女性の工作員は高潮する。
「そこっ」
斬撃の嵐の中にある僅かな隙を発見し、アンゼシカはその一瞬の隙を見計らい、大聖剣を一振り。
女性の工作員は、フェイスマスクの中から歪ませた表情を覗かせる。咄嗟に気付き、アンゼシカの一振りを受け止める。しかし体勢が悪く、パワーで負け、下がる。
そして一瞬で体勢を整える。
「実力は私より上か、見事だ……」
彼女から見て右側から。アンゼシカ に繰り出される斬撃を彼女はロングソードを振るい、払おうするが、一瞬の一振りが彼女のフェイスマスクを捉えられ、破壊される。
装着していたフェイスマスクを破壊され、地面にポトっと落下する。正体は見せまいと女性の工作員は飛脚して岩丘に飛び乗り、片手で顔を押さえる。
「この私相手に、敗北させるとは………」




