劇場版ストーリー24
───ゾロゾロと、岩丘地帯に集まって来たのは黒いマント、フェイスマスクで表情を隠した工作員グループ。例の(新政府バロム)のテロリスト達である。数は30名で、昨日と同じく片手剣と片手盾を装備している。
「昨日の今日で、働き者なんだな?………。人にモンスターを倒させておいて、その疲れた所を狙うと言ったやり方か?」
アレックスはロングソードを構え、皮肉な言葉を投げかける。
「何とでも言うがいい………。我が(新政府バロム)は目的の為なら、例え悪魔に魂を売り回す覚悟だ。キサマらには、我が悲願である国家転覆の為に死んでもらう」
やばい発言をする彼等は戦闘体勢に移り、一斉に武器を構える。
ミリア達は先の戦闘により、疲れ果てている。今の状況で彼等と一戦を交えてしまえば、不利に傾くのは明らかだ。
───これは見過ごせない。と、アンゼシカは、自身の腕を組んでいるミリアを振りほどき、大聖剣を担ぎ挙げて皆の前に立つ。
「ここは私に任せて貰いたい………」
「マスク・ド・a様………」と、ミリアは後ろから心配な様子で見守る。
「ミリアさん………大丈夫だから。私に任せてください」
アンゼシカは微笑み、ミリアの頭をポンっと頭を撫でる。アンゼシカにポンっと頭を撫でられ、それにより瞳の色がハートになり、ミリアは胸がキュンとなる。
「マスク・ド・aさまぁ~~~~」
と、頬をスリスリして抱きついてくる始末。
「こらミリアさん、そんなに密着していては私が戦えないじゃないか?………」
ミリアに頬をスリスリされるアンゼシカは、恥ずかしい様子で言うのである。
───アレックス達から見て、いつもの光景。しかし、あちらのテログループ達は(自分達は何を見せられているんだ?)と、困惑している。
「とりあえず、待っていてはくれないか?こうなると彼女はなかなか、離してくれないのでな………」
アンゼシカは言った。事情が通じたのか、彼等は(承知した)と、答える。
「そこは承知するのかよ………」
意外と律儀で、ギャグを見ているようなノリで、アレックスは困惑。
───10分後………ミリアから解放されるアンゼシカであった。
「待たせたね?さて、始めようか?………」
気を取り直し、アンゼシカは再び大聖剣を担ぎ上げ、巨大な竜のような威圧感を発揮し、構える。
「こんなふざけた奴に、我々は負けてなるものかっ!!」
ミリアとアンゼシカのイチャイチャに奮起し、(新政府バロム)のグループ達は戦闘体勢、一斉に攻勢を仕掛ける。
「ふざけた奴………後悔させてあげるわ」
彼等の発言にイラっとしたアンゼシカは、大聖剣を片手で構えて駆ける。




