劇場版ストーリー23
───岩丘地帯に広がるのはリザードナイト、鳥龍の群れの死体。身体は剣で裂かれ、死に絶えた肉はピクピクと脈を打ち、緑色の血がドクドクと滴っている。
「こんな所でしょうか………」
ミリアはショートソードを鞘に納め、ふぅっ………と、体勢と息を整える。緊張感が解け、額から汗がポタポタと落ちる。
「ミリアっ!!」
すると、ミリアの元に駆け付けて来たのはアレックス、そして仲間達。
「アレックスさん、皆さん…………」
ミリアは気の抜けた声を出し、微笑む。
「これ、みんなお前がやったのか?」
リザードナイトと鳥龍の群れの死体を見て、アレックスは驚いて尋ねる。
「はい………」
ミリアは微笑んでピースサイン。
「まったく………お前って奴は、強くなったな」
アレックスはミリアの頭をポンっと撫でる。仲間が強くなった姿に、こっちまで嬉しくなるからだ。
ガブガブ………ガブガブ………。
一方、小さな翼はリザードナイトと鳥龍の群れの死体を、肉を噛みちぎり、骨を砕き、ムシャムシャと貪っている。
「おい、小さな翼………素材を残しておけよ」
サウルはモンスターの死体にナイフで切り落とし、素材を採取する。
ミリアは、とある気配に視線この先を向ける。
「ミリアさん………」
彼女の元に、隆起しま岩肌を抜けて駆け付けるアンゼシカ。
ミリアはアンゼシカを見て、しばし沈黙。10秒………20秒………30秒………そしてミリアは身体を震わせ、いつものアレを発揮する。
「マスク・ド・aさまぁ~~~~~っ!!」
と、ミリアは抱きつくのである。
(うぅ~~~~………劇場版のミリアさんのアプローチぃ~~~)
力一杯、ミリアに抱き締められるアンゼシカ。これが、いつもの日常なのである………これがミリアさんである。どんなに上手く隠れても、彼女特有のカンで必ず見つけてくる。
「くぉら、この泥棒猫。アナタと言う奴は………せんぱいから離れなさい~~~」
絵葉は、ミリアに掴み掛かり、引き離そうとする。
「何よ?このメス猿っ」
ミリアは言う。そして絵葉といがみ合う………。
「おい、お前ら………こんな場所でいがみ合ってないで町に帰るぞ」
面倒くさそうに、いがみ合う2人にアレックスは忠告するのである。しかし………。
───この感じは………。と、アンゼシカは何かを察知する。岩丘地帯に向かってくる複数名の足音、まさか奴らか………。
「まったく、きれいに終らせてくれないのかな?お前らはよ?」
こうなれば、帰還はお預けだな…………と、アレックスは頭をポリポリと掻き、とある視線の先に向け、ロングソードを抜いて構える。




