劇場版ストーリー21
───時刻は肌に突き刺さるような陽光が登る朝、吹き付けるそよ風。気温は25度と比較的に丁度よい。
その頃、首都バーモントを北西に90分の距離にある岩丘地帯にて、ミリア達はクエストを受けていた。辺り一帯はデコボコとした岩肌が隆起し、枯れた大木がポツポツと生え、渇いた砂原が広がっている。
依頼は討伐クエスト。内容は一帯に出没し、西のクロフォード王国と東のノーザンブリア共和国の交易産業である陸路を行き交いし、運送馬車を妨害しているオークの群れ、鳥龍の群れ、リザードナイトの群れのせん滅。しかし例のテロリストの(新政府バロム)の工作員が出没してくる可能性もある為、注意してください。と、シェバから通告されてる。
───雄叫びを響かせ、こん棒を振り回す5体のオーク。振り下ろされるこん棒の威力は地面を砕き、直撃すれば一溜りもない。
すると、5体のオークの足元に紫の詠唱陣が出現。
「混乱の陣っ!!」
絵葉は片手を掲げ、魔導術を発揮。それにより5体のオークはこん棒をぶんぶんと振り回してはピヨピヨと混乱し、千鳥足で動き回っている。
「ナイスだ、絵葉っ!!」
アレックスはダッシュ。ロングソードを振るい、2体のオークを斬り捨てて撃破。
すると、右側から3体目、4体目のオークがアレックスに向け、こん棒を振り上げる。
「氷結の塊っ!!」
こん棒がアレックスに振り下ろされる寸前、2体のオークの足元に詠唱陣が出現し、一瞬にてパキっと氷結する。
「サンキュー、デビッドっ!!」
アレックスは言った。
「ふふ、どういたしまして………」
杖を構えたデビッドは冷静な表情で言う。
───すると………混乱状態が解け、残り1体のオークは雄叫びを響かせる。オークは状態異常における自然回復は早く、その時間は1分から5分である………。
「遅いっ」
アレックスはオークの懐まで潜り込み、こん棒を振り上げる前にロングソードを振り上げ、斬撃を与える………しかし。
傷は浅い、オークは身体を後ろに反らしていた状態であった為、僅かにダメージを軽減していた。下腹部から胸に掛けて刻まれた斬撃の跡………。ドクドクとおびただしい血が流れ、ポタポタと地面に滴り落ちる。
前屈みの体勢のオーク。すると中間距離にて、オークが反応し切れないスピードで人影が出現する。
「はっ!!」
ロメロが右拳を伸ばし、オークの全身に拳撃をヒットさせる。ロメロが伸ばした1発の拳撃は10発、20発、30発の拳撃となってオークに叩き込まれる。
ドスっ………と、地面に倒れるオーク。状態は絶命、ロメロは涼しい表情で衣類を整える。




