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第52話 戦場の魔法図書館



「いいでしょう、止めてみなさい。このメルディが相手になりますっ」


 黒いコートの女性はフードを脱ぎ、上体を屈ませた体勢でショートソードを両手構え、駆ける。

 名はメルディ・ディアス、木の葉色のショートヘアーにキリッとした瞳。年齢は20代前半、このグループに加わった事により、自身の人生は捨てたようなオーラを漂わせている。

 

「早い………」


 ミリアはショートソードを構え、受け止める。

 相手のスピードはまるで無駄がない。自身の額からは冷や汗、間違いなく自分を殺す気で来ている。


 メルディはスッと離れ………少しの距離。


「貴様は何の為にッ?剣を振るうッ!!」


 メルディは両手のショートソードを振るい、あらゆる角度から剣撃を繰り出す。


「くっ………」


 ミリアはメルディの剣撃を切り払う。反撃のタイミングすら与えない、自身は切り払うだけで精一杯だ。

 下手に反撃したら彼女の正確無比な剣撃が一気に展開し、ズタズタに引き裂かれるだろう。


 マスク・ド・a様がいつものように駆けつけてきた………。自身はいつも彼女に助けてもらっていた為、戦闘技術は上がったが、経験はあまり上がってない。

 頼り過ぎた事を痛感した………。


 思わずミリアはスッと下がり………体勢を立て直す為、メルディの右側を通過し、魔法書が保管されている本棚に隠れながら駆け走る。何故なら正面からでは勝ち目はない。正直、場数が違うし、殺気も違う。

 ミリアは人を殺した事はないし、一方メルディは人を何人も殺している。


「逃げる気かッ!!」


 メルディは怒号、追いかける。


「ミリアさんッ!!」と、デビッドも後を追いかけようとする。


 すると、デビッドの足元にはクロスボウの矢が放たれ、突き刺さる。


───貴様は我々を相手にしてもらう………。


 次々と現れたのは、黒いコートを着用した(反民族支配主義)の武装構成員。人数は5人、クロスボウを装備した者が2人。その他はロングソード、ハルバートやランスを装備。


「そこをどきなさいっ!!」


 デビッドは苦虫を噛み潰したような表情。この魔法図書館は異空間であり、1つの町のように広い。彼らを相手にしていたらミリアを見失い、あの強者と戦っていたら身が危険である。

 ミリアと彼女では、力量差が違い過ぎる………。


「断るっ。貴様を屠り、民族支配を正当化する資料を所有しているこの図書館を破壊するッ!!」


 構成員達は戦闘体勢。

  

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