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劇場版ストーリー16




───その頃、時間帯は夜。


 辺りは岩山がゴツゴツと隆起し、渇いた砂原が地面として広がり、共和国のとある場所、とある遺跡に、夜空を照らし出す三日月が、辺り一面を包み込む………。遺跡は何百年前にも栄えた大昔の時代による名残りであり、今では人々の記憶からは忘れ去られた歴史だ。


 パキパキと渇いた音を立て、遺跡の中に続いている通路の壁に固定された松明。松明の火の周りを、複数の蛾がパタパタと飛び回り、やがて火にぶつかって燃えて地面にポトっと落ちて消し炭になる。



 ★★★★★★


 地下遺跡にある広い場所。その奥には全長数十メートルもある石像が立ち、祭壇としている。そして地面には、魔人崇拝を意味している2本の角を生やした牛の絵が、不気味な程に赤い色で描かれている。描かれている赤は、まるで生贄により絞り出した人々の血を表しているかは定かではない。


 奥の祭壇にて、広い場所全体を照らし出す松明台。火に照らされた石像を、黒いマントを着用した人物は眺める。ゆらゆらと燃える灯火により、石像の表情が暗く、明るく、常に変化していく………。


───すると、入り口から走ってくる足音。その足音は広い場所に入り、石像の前に立っている黒いマントの人物に止まり、お辞儀する。


「マクロン新総統、報告します………今日の昼過ぎ、冒険者と思わしきグループと戦闘になり、我が部隊は敗北しました」


 足音の主、黒いマントを着用した男性工作員は報告する。


「ふむ、敗北したと報告か………戦闘にて、死傷者の数はどうなっている?その冒険者達は何者だ?」


 名はマクロン・リシャール。彼は振り向き、部下の男性工作員に尋ねる。身長は180センチ、戦闘用のフェイスマスクに甲冑、歴戦を潜り抜けて来たような屈曲な身体をしている。


「はい………死傷者はゼロで、特殊な技により戦闘不能に追い込まれた形です。冒険者達の特徴は、赤髪の戦士に緑髪の魔導師、茶髪の盗賊(シーフ)に、黒髪ロングの執事………あとは金髪の女性とマスクを着用した女騎士、そしてピンク髪の少女です。例のクロフォード王国の冒険者だそうです」


 部下の男性工作員は言った。


「そうか………厄介な奴らだが、注視しておけ」


 マクロンの一言に、部下の男性工作員は「はっ」と、敬礼して立ち去る。そして、ボスはマントを広げて宣言する。


「我々は(新政府バロム)。我ら月の一族を歴史の闇に葬った現政府を打ち倒し、我らが新たな共和国の支配者となろう。皆の魂を、我に捧げよっ」

  

 ボスの宣言に、広い場所全体には100名近くの工作員が手を挙げ、雄叫びを響かせる。そして入り口前にて、黒いマントと着用し、黒いフェイスマスクで表情を隠した女工作員が腕を組み、眺める。


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