劇場版ストーリー13
「ちなみに………お前は何を食べているだ?」
サウルは尋ねる。
「分からな~~~い。でも、美味しいよ~~~」
小さな翼は緑のリンゴ?のような果実をシャリシャリと貪る。食感はリンゴだけど、サポート役のシェバからは、森林地帯では猛毒性のリンゴが実っている為、食べてはダメと注意されているのだが……………。
猛毒リンゴを貪る小さな翼の言動に、皆は困惑する。普通に食べていると………。
そのとき………距離は100メートル先。煌めく閃光のような殺気を、アンゼシカが反応し、捉える。
「失礼します、ミリアさんっ」
自分の腕を組んでいたミリアをスッと離れ、アンゼシカは一瞬で彼女の前に立ち、大聖剣を振るい、ボウガン矢を斬り払う。
大聖剣に斬り払われたボウガン矢は、キンっと音を立て、地面にポトっと落ちる………。その瞬間、他の仲間達は立ち上がり、臨戦態勢をとるのである。
───すると、木々の茂みの影からゾロゾロと現れたのは、黒いフェイスマスクと黒いマントに身を包んだ武装工作員だった。
「へへへ、情報通りの奴らだな?」
「我らの狙撃を弾くとは、なかなかの腕と判断する」
2人の武装工作員は言った。武装工作員の数は10、20………30名以外の数はいる。
「ギルドに注意されなかったか?採取クエストをする際は、俺等に気をつけろと?」
武装工作員の1人は、片手剣を構えてヘラヘラ笑っている。そして他の武装工作員達も、片手と盾を構えて戦闘態勢を整えている。
アレックスは言う。
「お前らが例の(新政府バロム)って奴らだな?………それに情報通りって言ったな?誰から情報をもらった?」と、質問する。冒険者ギルドにおけるクエストメンバーの個人情報は厳重に保護されて流通は防いでいるハズだが………。
「そうだ、貴様が言ったように、我々は(新政府バロム)だ。あと、情報源については答えられない質問だ」
「それに我々はとある筋から情報を頂いている………わざわざ情報源を話して、その筋の素性の信頼を破壊するほど、馬鹿ではない」
武装工作員の奴らは淡々と答えで言った。
「まったく、しっかりしているな。とりあえず、振りかかる火の粉は、払わせてもらうぜっ」
ミリアとアンゼシカ、そしてアレックス、デビッド、サウルにロメロ。あと、小さな翼は戦闘態勢。
「せんぱい、私もサポートしますよ」
アンゼシカの横に、光の球の絵葉が空中でクルクル回り、出現する。
アレックスは言う。
「よし、小さな翼よ、やれ………」
「りょっ」と、小さな翼 はビシッと敬礼して前に立ち、口を大きく開くのである。




