劇場版ストーリー2
───時間帯は深夜、時計の針は午前3時を指している。
「今の夢は?」
アンゼシカはベッドから飛び起き、夢を見た。あれは劇場版のMILIAだ。ゲームはそれなりのヒットをし、予想以上のファンによる根強い賞賛の声により、製作されたのが劇場版だ。劇場版が発表されたのが本作を製作してからかなりの年月が流れ、私が死亡して転生してこの世界に来て後の出来事からになる。
場所は王都にあるとある地区にあるとあるアパルメントの一室だ。ただベッドとテーブル、クローゼットと厨房がある平凡な部屋だ。
アンゼシカは厨房の蛇口からコップに水を注ぎ、飲んで思い浮かべる。
───まさか、私がいなくなった前世では劇場版が発表されていたなんて、思いもよらなかったな………。先の出来事による追加ストーリーやそして、次は劇場版と来たか。どうやら、MILIA関連の情報はこうして夢に現れる仕組みらしい。
そして、最も気になる事がある………。
それは夢の中の出来事にて、ミリアがクラウ・ソラスを構え、皆に謝罪を述べて立ちはだかる異形に対して放っいたセリフだ。
(もしかして、劇場版ではミリアさんが〇ぬ事になっているのか?………)
あのシーンはどちらかと言えば、死にフラグ。可能性は捨てきれない。と、額に指を当てて考える。
「は、この気配は………」
ピクっと身体中に駆け巡る緊張の冷や汗。何やら見覚えある気配、アンゼシカは恐る恐る、窓際に視線を向ける。
───じぃ~〜〜〜………。
その光景に思わずビックリしてしまうアンゼシカ。部屋の窓から覗いていたのはミリア。
「こんばんは、ミリアさん………」
その様子に困惑しながらも挨拶するアンゼシカ。見つめてくる瞳、まるで獲物を狙う猫のよう。一応、ミリア様いきなり来訪の対策でマスクを付けておいて良かった………。と、ひと安心する。
「こんばんは、マスク・ド・a様」
ミリアはにっこりと言う。そして、窓をガチャと開いて(お邪魔します)と、身を乗り出して入ってくる。
(アハハハハ、入ってきちゃったよ、この娘………)
ポリポリと頬を掻くアンゼシカ。
そして、部屋の中に着地するミリア。こう見えて、彼女はクロフォード王国の王妃だ。
「どうしたんですか、この深夜に?」
恐る恐る尋ねる。
「う〜〜ん、夜にお花を摘みに部屋を出て、寝ぼけて歩いていて、気がついたらマスク・ド・a様の部屋に来てしまいました」
テヘッと可愛くミリアは答えた。
「あはははは………そうだね、誰だって寝ぼけていたら、そうなるよね?」
笑って誤魔化すアンゼシカ。普通、そうはならない。




