エピローグ
オライオン村創設をし、それから………。
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜っ!!」
いつものようにミリアさんに捕まる私(真美)である。場所は王都の大通り、都民にとってはいつもの光景であり、笑わえる。
ミリアさんに捕まり、困惑する私(真美)。
あれから、ミリアさんの察知力がパワーアップした気がする。
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜っ!!」
テント露店がバザーにて、香辛料屋にある空の大壷に隠れても、横にある空の大壷にいたり。
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜〜っ!!」
裏通りに逃げても、屋根上から跳び下りて回り込まれたり。もう、忍者か………。
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜っ!!」
そしてとある店に逃げても、店員に変装したミリアに先回りされたり。
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜っ!!」
地面から飛び出してきたり。もはや人間離れしている………。
大通りにて、ミリアさんに引っ付きながら歩く私(真美)は尋ねる。
「アルフレッドさんは良いのかい?ミリアさん?」
一応、彼女は女王陛下。
「はい、大丈夫です」
ミリアはにっこりと答えた。何故なら民主寄りの彼女の政治手腕が幸を成し、国内情勢は安定している。その為、国民はミリア女王のこのやり取りをほぼ黙認している。
「何が大丈夫ですか、この泥棒ネコっ」
私(真美)の左に現れたのは絵葉。
「誰が、泥棒ネコですか?私は、マスク・ド・a様の親愛なる弟子です」
ミリアは大きな胸を張って主張する。
「ところがどっこい、せんぱいとの付き合いは私の方が長いのですっ」
対抗する絵葉も胸を張る。
睨み合う2人、思わず私はため息を吐いて言う。
「もう、どっちもいいじゃない。私は仲良くしている2人が好きだから。はい、仲良くしよ?」
と、私は提案した。すると2人は瞳を光らせ。
「せんぱぁ〜〜〜い」
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜っ」
2人に抱きつかれる私は困惑しつつも微笑む。鬱陶しさ2倍、この先はどんな事が起きるか分からないけど………こんな毎日、前世で生きている頃より人間関係は充実し、前世でいなかった仲間がいて数々の修羅場を乗り越え、共に笑い、共に泣き、共に喜ぶ。
───ま、悪くないか………。と、私は思い出し笑い。
「どうかしましたか?」
微笑む私に、ミリアは言う。
「何でも………ただ、こうして互いに笑い合える日常が、私は好きだなって………」
「なら、私は頑張ります。アナタもですよ、絵葉さん」
「はいはい、私はいつものように、笑わかしてあげるだけです。花であるハナスベリヒユのように、ね」
───さっきのいがみ合いは何処えやら?互いに笑い合うのである。




