EXストーリー49
───マリアDiablosは暗黒色の威圧感を漂わせる。さらに手元に詠唱陣を描き、ロングソードを出現させて片手で構える。
奴は微笑み、説明する。
「この剣はかつて我を召喚する際、マリアを生け贄とし、儀式で使った宝剣だ。存分に力を振るってやろう…………」
「良い趣味してやがるっ!!」
アレックスは奴の思想に癪に触り、ロングソードを横に構えて駆ける。
「アレックスさん、速度上昇の付与術ですっ」
光の玉状態の絵葉は、アレックスに能力強化の付与術を発揮。
アレックスの全身に、詠唱陣が描かれる。
「サンキュー、絵葉っ!!」と、アレックスは疾風のスピードで中間距離にて奴に狙いを定め、ロングソードを振るう。
「まずは貴様からか?…………剣で受けるまでもない」
アレックスが振るう3発の剣撃が、マリアDiablosの全身にヒット。しかし、手応えがない。
「フン、光の属性を宿っていない剣など、痛くも痒くもない…………吹き飛べっ!!」
手を掲げ、掌から黒い衝撃波を発揮し、アレックスを吹き飛ばす。
「ぐっ…………ミリアっ!!」と、吹き飛ばされながらアレックスは叫ぶ。
「はあっ!!」
速度上昇状態のミリアは飛脚し、奴の左側からショートソードを振り下ろす。
「愚かな…………空中では身動きが取れないだろ?」
マリアDiablosは、宝剣を片手で構え、突きを放つ体勢。
「甘いのは、誰の方ですか?…………」
デビッドは杖をクルクルと構え、詠唱。
「おや?」と、奴の頭上に、デビッドによる詠唱陣が出現。属性は雷、そして上空の詠唱陣から雷の魔力球が投下され、奴の存在が犯される…………。
「神雷の裁き」
デビッドは、前方から放たれる衝撃波を前にし、体勢を立て直して言った。
───その衝撃は、辺りの景色が震えがあるほどである。大爆発のような轟音が響き渡り、凄まじい雷流がバチバチと発生させる。
「これが、コンビネーションですっ」
ミリアはショートソードを片手で構え、不敵な笑みを浮かべ、主張する。服装には多少の土汚れ、何故なら彼女はあらかじめ、術が投下される寸前に、バックステップし、離脱していたから。
その表情を見ていたアレックスは体勢を立て直し、彼女にグーサインを突き立てる。
ミリアもアレックスのグーサインに気付き、にっこりと笑い、彼女も同じくグーサインで返す。これぞ、苦楽を共にしながら戦って来た事による仲間への意思疎通だ。
砂塵が晴れ、奴が姿を現す。全身にはダメージ。
マリアDiablosは、その光景を見て笑う。
「やってくれるな………シュバルツの子孫と仲間達よ」




