EXストーリー47
───そして遺跡通路を駆け抜け、最奥部に到着するミリア達一行。しかしそこは数日前に足を運んだ火口地帯ではなく、魔力障壁と化した重厚な正面門がそびえていた。
正面門の前に歩み寄ろうとすれば、肌を刺すような威圧感。例えると、それはユラユラと揺れ動く巨大な黒炎のように………。
この感じは1年前、Diablosと戦った時の威圧感そのままであり、額から冷や汗を滴らせる。
「お前ら、準備はいいか?」
アレックスは皆に尋ねる。それは覚悟はあるか?の問いであり、この先にいるのは超常的な存在、無事に生きて帰れる保証はない。
アレックスの問いに、皆は頷く。それは覚悟はあると、意味をするのである。
「よし、行くぞっ!!」
皆は覚悟を決め、魔力障壁と化した正面門に歩み寄る。すると魔力障壁はパキっと消滅し、低い音を響かせ、正面門は開かれる………。
★★★★★★
正面門の向こうは、さらに異なる景色が広がっていた…………。灰色の空が上空に広がり、虚しさと悲しみを表したような冷たい空気が張り詰め、闘技場のような規模を誇る礼拝堂。そして最奥には悪魔の像が鎮座している。
踏み入れた景色、あと超常的な威圧感を前に、皆は言葉を発せられない。いや、見つからないと言った方が正しいのか…………。
───よくきた、レオナルドの子孫。ならびにその仲間たちよ…………。
大規模な礼拝堂に響き渡る女性の声に、皆は立ち止まる。
礼拝堂に現れたのは、修道ローブを着用した黒髪の女性。名前は…………。
「マリア・オライオン。かつて、ギリアム公爵の洗脳により、村は悪魔崇拝者となり、そしてアナタは悪魔の生け贄となり、生涯を終えた…………」
ミリアは言う。
「私の正体を知り、光栄です。シュバルツの子孫様」
深々とお辞儀するマリア。マリアのお辞儀に、ミリアは胸に手を当て、主張する。
「祖はレオナルド、そしてクロフォード王国女王ミリア・ミア・シュバルツ。私の事は、ミリアと呼んで頂ければ幸いです」
ミリアの言葉に、マリアはクスクスと微笑みを浮かべる。
「では改めまして…………汝、ミリア・ミア・シュバルツ、アナタはどうしてこの場所に訪れたのです?」
静かに尋ねてくるマリア。
マリアの質問に、ミリアは額に汗を滴らせて息を飲み、思い浮かべる。思い浮かぶ内容は、マリア自身が見せてきた過去の光景であり、もう一つは自身がヨハーソン邸にある書斎で映し出されたクロフォード王国の血塗られた黒い歴史。
そして、2つのエピソードを1つに割り出し、答えを導き出すのである。
「それは…………アナタを助けに来ました」




