EXストーリー45
───空間全体に広がる赤い景色、不安定かつ苦痛の叫び声のような歪な地鳴りを響かせる。そして皆がこれまで駆け走って来た事により、絵葉の能力で遺跡通路とガレキ化した廃屋が次々と繋げられ、まるで1つのダンジョンとなる。
すると、駆け走る皆の意識の中に、ある光景が映し出される………。
私の名前はマリア・オライオン。どこにもいる普通の女の子だ………私が生まれた場所はとある村で、父も母も、村の人達も至って普通である………彼が村を訪ねるまでは。
「此度のお招きを感謝いたします………」
村長宅に現れたのはボサボサ黒髪の男性………それは公爵貴族でもあり、司祭ギリアム・マクミラン。
彼は予言する。
「この村は呪わており、いずれは疫病、飢饉、そして天変地異により、村は滅亡するでしょう………」
「何ですって………」
「はい、これは避けられない宿命であり、一刻の猶予もありません」
「ギリアム司祭、私達はどうすれば?」
「それは、神を崇拝することです。我々の神である■■■■■■、崇めれば呪いは弱まり、村は救われるであろう………」
ギリアム司祭は、両手を広げて宣告する。
「ありがたきお言葉、感謝します」
頭を下げる村長。
私は村長宅の入口でそのやり取りを、覗き見していた。
───それを機に、村は一変した。村の人達は漆黒のローブを着用するようになり、ギリアム司祭が洞窟内に建てた礼拝堂に集まり、神を崇拝する。
■■■■■■様、我々を呪いから救い、感謝いたします。
村の人達は熱のある声で崇める。
「神は、欲している。それは若い女性の血だっ」
ギリアム司祭は村の人達に命じた。
両親と共に参列していた私は、彼の声を聞いていた。村の人達と私は、彼の言葉に何故か違和感は感じなくなっていた………。
1人、また1人………私と同年代の女性達が純白の羽衣に身を包み、目隠しされてイスに固定され、そして。
「捧げよ、若い女性の血をっ!!」
両肩両太ももに剣を突き刺し、最後に心臓を刺し、地面を血溜まりにして儀式を終える。
「マリア・オライオン。次は汝を神の贄として指名するっ」
いつものミサにて、ギリアム司祭に私は指名された。
神の贄とされ、私は嬉しかった。両親も祝福してくれて、とても幸せだった………。
───儀式の日はやってきた。
私は名誉である純白の羽衣に身を包み、目隠しされてイスに固定される。
「神に、血を捧げよっ!!」
宝剣を両肩、両太もも、最後に心臓を貫かれて私はその命を全うした。大変、名誉な最期だった………村の人達は私の最期をどう祝福してくれたのだろうか?。
黒い意識の中、彼が現れた………。
「汝よ、我に身を任せるがいい」
■■■■■■は私を包み込み、私は神と一体と化した。




