EXストーリー42
───そして、ミリア達を乗せた飛竜状態の小さな翼は火山地帯に到着し、風圧をバサッと広げ、地面に着地する…………。
「と~うっ」
同時に、小さな翼はかわいい声を出して変身を解除し、ぴょんと跳ねる。
着地した場所は広い場所。そこは火山地帯の入口付近、先日前に来た光景とは掛け離れていた。
「コイツは…………見た目で分かりやすい位、ヤバい光景だな…………」
アレックスは言う。火山地帯の入口付近からは、地上の樹海と同じように漆黒のオーロラのような瘴気を放っており、入れば何が起こるか分からない。
「さて、ここは私の出番です…………」
絵葉は火山入口前に歩み寄る。
「絵葉、何をする気?」と、アンゼシカ(真美)は尋ねる。
絵葉は両手を掲げ、答える。
「ダンジョンの調整をします。何故ならダンジョンが不安定なので、入れば迷い込んでしまいます」
「そうなのかい?…………」
ちなみにその役目は、レオナルド。入口付近に差し掛かった時、ミリアからレオナルドの意思が現れ、ダンジョンを調整する流れである…………。
「道よ、安定せよっ」
絵葉は手を挙げ、唱える。
───出現する詠唱陣。入口付近から放っている漆黒のオーロラはみるみるうちに安定化し、黒い渦の形をした異空間の入口となる。
「はい、終わりました」
絵葉は言った。
「よし、行こうみんなっ」
アレックスの掛け声に、皆は応えるように手を挙げる。
───皆は意を決して黒い渦に突入し、異空間と化した火山地帯のダンジョですを駆け走る。するとミリアは走りながら絵葉に視線を向け、口を開く。
「そういえばアナタに、言ってませんでしたね…………」
「何がですか?」
と、絵葉はミリアに向く。
「アナタの事、花に例えたらの話です…………皆に花に例えたらどんな花なのかって…………」
「そんな事を考えていたんですか?」
「私は、仲間外れは趣味ではありません…………アナタも含みます。そうですね…………アナタはハナスベリヒユ、花言葉はいつも元気。今のアナタにぴったりな花です」
ミリアは言った。
ミリアの言葉に、絵葉はポカーンとした表情を浮かべる。
「何ですかその表情は?」
「いや、アナタからそんな答えが聞けるなんて意外だなって…………」
「どういう意味ですか?」
絵葉は頭を掻き、言う。
「私、いつも元気な訳ではないし、落ち込む時もあったし、悩む時もあるし…………その花言葉は、合わないかと…………」
「現に今のアナタは、元気で前向きで、いつもマスク・ド・a様を取り合って、うっとおしいくらいです。今のアナタに、この花言葉がお似合いです」
ミリアは言う。




