EXストーリー24
───そして、皆は火山洞窟の広い場所に辿り着く。黒曜に煌めいた岩盤に、歪に伸びた鍾乳石が辺りに広がり、至る穴から蒸気が噴出している。例えたら氷柱のように、天井の鍾乳石から蒸気により出来た雫がポタポタと落ち、水溜りを作る。
ミリア達は戦闘体勢を整えていた。
これは骨が折れそうだな………。と、目の前の勢力に困惑し気味に。
それはモンスターの群れ。岩盤の影からピョンと飛脚し、現れたのは4体の鳥竜と3体のリザードナイト。あと溶岩からは6体の火炎鱗の魚獣がピチピチと現れ、岩盤の地面からは、2体の火炎の悪霊が火の粉が集約し、形成されるように現れた。
いつもように、岩盤の影から眺める私は、現れたモンスターの数を見て判断する。
(これは、駆けつけるべきね………)
アンゼシカ(真美)は大聖剣を担ぎ上げ、刃をキラリと光を放つ。何故ならこの数は、いくらミリアとその仲間達だけでは厳しい、と。
アレックスは微笑み………。
「よし、小さな翼よ。出番だっ」
アレックスは言った。
小さな翼は、「りょうかい」と、敬礼して皆の前に立ち、体長数百メートルの飛竜に変身し、ズシンと足音を響かせて体勢を整える。
何をする気だ?と、アンゼシカ(真美)は眺める。
「よし、小さな翼。例のアレを見せてやれっ!!」と、アレックスは鼻を塞ぎ、言った。
「まかせてっ」
すると、小さな翼は大きく息を吸い込み、口を開く。
(まさか………)と、アンゼシカ(真美)は察する。そして他の仲間達も、鼻を塞ぐのである。
「ぶはぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
小さな翼は大きい口から臭い息を放つ。例えたら茶色の瘴気、臭い息は広い場所全体に広がり、モンスター達を包み込む。
(うわぁ~〜〜、鼻を塞いでいても相変わらず強烈ぅ〜〜〜)
岩盤の影に身を潜むアンゼシカ(真美)は鼻を塞ぎ、涙目になって咳き込む。匂いはアレ、例えたら自主規制の為、控える。
────そして………臭い息による茶色の瘴気は晴れる。
そこに広がるのは、凄い光景である。臭い息に包み込まれた全てのモンスターに、麻痺、毒、混乱、暗闇、沈黙、あらゆる状態に陥り、クルクルと回っていた。
(臭い息、つえぇ〜〜〜〜)
岩盤の影から見ていたアンゼシカ(真美)は思わず顔を出し、驚くのである。他の皆は状態異常無効のペンダントにより無事、しかし………。
「がははははは…………どうして?………」
何とアレックスにだけ、臭い息による毒。するとデビッドは、ある事に気付いた。
「あ、アレックスさんに渡したのは何の能力の無いペンダントでしたっ」
「なんだよそれ………」と、アレックスは手を差し上げ、ピクピク。




