EXストーリー22
「マスク・ド・aさまぁ~〜〜〜っ!!」
「えいっ」
「へぶっ」
お決まりの如く飛びかかるミリアは、いきなり出現した絵葉に、突き出された足の裏でガードされ、変な声を出す。
「毎度、毎度、そうはさせませんよ」と、絵葉は足を出した体勢で、メガネをクイッと整える。
「何するんですかっ!!」
ミリアは顔面にくっきりとした足跡を残し、絵葉にムスッと睨む。すると絵葉は口を開く。
「アナタのような泥棒ネコに、毎度、毎度せんぱいに襲いかかるアナタから守ってあげたのですよ」
絵葉は腕を組み、意地悪な笑みを浮かべる。彼女のセリフに、ミリアは主張する。
「誰が、泥棒ネコですかっ!!私には、戦いが終わったら、マスク・ド・a様に抱きつくと言うお・き・ま・り、があるのですっ」
ミリアは胸に手を当て、言う。
(初めて聞いたわ………あれ、ルーティンだったんだ………)
顔に足跡がくっきりと付き、女王陛下らしかぬ姿をしているミリアの姿、あと意外な答えに困惑するアンゼシカ(真美)。それに、今まで戦いの中で気づいていないように見えて、本当は気づいていたらしい。
絵葉は言う。
「しかし、せんぱいとの付き合いは私の方が長いのですっ」
絵葉はアンゼシカ(真美)の右腕を組み、見せつけるように卑しい表情を向ける。
「それは過去、今では私ですのっ」
ミリアは左腕を組み、対抗する。
「せんぱいにセクハラするのは私です、泥棒ネコはネコらしくネズミを追いかけていれば良いのですっ」
絵葉は舌を出し、あっかんべー。それにより、ミリアはカチンとなる。
「国の女王陛下である私に、何度も何度も泥棒ネコって………私が猫なら、アナタはおめめがクリクリで盛りの付いたメス猿ですっ!!メス猿はメス猿らしく、オス猿と一緒に毛づくろいをしていれば良いのですっ!!」
ミリアの言葉に絵葉はムキっとなり。
「誰が………ちんちくりんで、オカッパで、うるさくて瞳がクリクリの盛りの付いた猿ですかっ!!」
そこまでは言ってない………。
2人は互いに火花を散らし、瞳をバチバチさせる。ミリアは牙を剥いた猫、絵葉は背後から表情を凄ませた猿のオーラを漂わせる。
「マスク・ド・a様から離れなさいっ」
「そっちこそっ」
(アンタ達、仲良くしたんじゃなかったの………)
自身の取り合いに、困惑してため息を吐くアンゼシカ(真美)である。まるでオヤツを取り合う子供のケンカ、しかしその理由が自身(真美)であり、下らないし恥ずかしい。
───何やっているんだアイツら?
下の岩道から2人のいざこざを眺めるアレックス達である。




