EXストーリー20
「つかれましたぁ〜〜〜………」
宿泊テントに戻る否、ミリアはうつ伏せの体勢でベッドにゴロっと寝転ぶ。先程の会議と調査活動により、ミリアの心身に、鉛のような疲労感が行き渡り、まぶたが重い。
「お疲れ様です、ミリアさん」
傍にいるアンゼシカ(真美)は、寝転ぶミリアを見て言うのである。午前は調査活動、午後は墓参り、夕方に会議、自身より年下で今や王国の女王陛下。普段は人並み外れた察知力で私を見つけ、抱きついてくるデレデレ娘だが、会議になれば女王陛下の顔となり、問題を解決していく。
彼は凄い奥方を見つけたモノだ。と、私は思う。ちゃんと普段の顔と女王陛下としての顔を使い分けているので凄い。
───すう〜〜〜、すう〜〜〜、すう〜〜〜………。
奈落に吸い込まれるように、ミリアは熟睡。
寝るの早いな………と、アンゼシカ(真美)は驚く。彼女はアンゼシカ(本物)に鍛えられ、睡眠がしっかりと出来る体質だ。
うつ伏せの体勢で寝息を立てるミリアに、アンゼシカ(真美)は歩み寄り、ベッドの横にあるイスに腰掛け、腕を組む。
(寝顔は可愛いモノね………)
ミリアの寝顔を眺めるアンゼシカ(真美)。見ていたら微笑ましい気持ちになる。いつもなら(マスク・ド・aさまぁ~〜〜)と、ダッシュして抱きついて来て、どれだけ隠れて見守っていても、離れていても見つけてきて………そして躓いたり、泣いたり、彼女との思い出を上げたらキリがない。
よほど疲れていたのか、ゴロリと仰向けの体勢に変わり、大の字でいびきを響かせている。
(もう、この子は…………)
アンゼシカ(真美)は布団を持ち上げ、風邪を引かないように被せようとする。
「泥棒猫でも、ずいぶんと寝相が悪いんですね?」
アンゼシカ(真美)の背後。絵葉は出て来くる。
「アンタね…………いきなり出て来て、寝相の悪口なんて感心しないわよ」
絵葉は寝ているミリアに歩み寄り、人差し指を突き立てる。
「これは日頃の恨みです。ホラ、ホッペツンツンの刑ですよ、泥棒ネコさん…………」
絵葉はミリアのホッペにツンツンする。
「アンタね………」
絵葉の行動に、アンゼシカ(真美)は困惑する。
「起きるなら、起きて見て下さいよ~~ミリアさん…………」
「なら、お望み通り起きましょう…………」
「うわ、ビックリしたっ」
いきなり起きたミリアに、アンゼシカ(真美)は驚き、イスから立ち上がる。
ミリアはパチっと瞳を開いて起き上がる。
「よくも私にホッペにツンツンして、イタズラしてくれましたね?」
「なんですか?泥棒ネコさん?」
絵葉とミリアはにらみ合う。




