EXストーリー18
───そして、ミリア達はベースキャンプに戻り、時刻は夕方。とりあえず、皆は広地に集合する。
「こちら、コーヒーとなります」
一方、広地では焚き火の火がパキパキと燃え盛り、ロメロは沸騰した湯でコーヒーを淹れ、コーヒータイム。ちなみにコーヒーはヨハーソン家が贔屓している農家から取り寄せたブレンドコーヒーである。
「アンタら、どこ行っていたんだ?」
サウルはコーヒーを口に含み、尋ねる。
「少し墓参りにね…………」
ミリアは答える。
「よ、お前ら」
医療テントからアレックスが手を挙げ、登場する。
「アレックスさん、もう身体は大丈夫なんですか?」
ミリアは言う。
「まぁな。この通り、元気なアレックスの復活だっ」
アレックスは元気に腕を上げ、ガッツポーズ。
「はい、これでアレックスさんを、再び困らせる事ができます」
デビッドは嬉しい様子を浮かべ、どうして困らせて差し上げましょう?と、野望を膨らませ、キラキラさせる。デビッドの言葉に、アレックスはムスっと彼を睨む。
デビッドの野望に、ミリアは苦笑いを浮かべる。
「そういえば、小さな翼は?」
ミリアは尋ねる。
「ああ、あいつなら…………」
───アレックスが答えようとした時、樹海の方からズシンとした地響きが発生し、茂みから鳥の群れが一斉に羽ばたいていた。
「あの、まさかと思いますけど?」
アレックスは樹海に視線を向ける。
「ま、樹海に行って、新しく覚えた技を片っ端から発揮して、アレだ…………」
あれから小さな翼は、倒したモンスターの死体を食べ続け、色々な技を覚えた。臭い息、冷凍ブレス、石化ブレス、尻尾の打撃など、様々だ。
「何故か、モンスター達が可哀想なのは、私だけでしょうか?」
ミリアは苦笑い。
「それと、聞いてみたかったんだが、マスク・ド・aよ」
「うむ、どうした?」
アタックの質問に、アンゼシカ(真美)は彼に視線を向ける。
「どうしてマスクを付けているんだ?確かアンタの正体は…………」
次の瞬間、アンゼシカ(真美)はアレックスの背後に目にも止まらないスピードで回り、ささやく。
「すまないけど、ミリア様に正体を知られてしまえば色々とややこしくなるから、ね?」
「わかった………頼むから殺気を出すのを止めてくれないか?」
背後にマスク・ド・aによる冷たい殺気により、アレックスの額からは冷や汗が流れる。
「うん、分かればいい」と、アンゼシカ(真美)はアレックスから離れる。
「アレックス〜〜〜〜ッ!!」
その時、樹海方面からダッシュして向かって来たのは小さな翼。
「ぐあっ!!」
アレックスは小さな翼に抱きつかれ、吹っ飛ぶ。




