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EXストーリー17



「へへへ…………あんぜしかぁ…………おねぇさまぁ…………」


 帰りの馬車の中、ミリアは身体を横にし、デレデレしながら寝言を立てていた。樹海調査と王都に戻っての墓参りにより、疲れたからだ。ちなみに墓参りの後、旦那であり、国王陛下のアルフレッドに顔を見せに行ったりした。


 謁見の間に赴いたら…………。


「おぉ~~~ミリアァ~~~」と、周りの衛兵達の視線すら気にせず、泣きつくのである。何故なら妻のミリアには帰って来て欲しいから…………。しかし、ミリアは(やだ)と、突っ返される。


「どんな夢を見ているのやら…………」


 ミリアの寝姿を見て、アンゼシカ(真美)は微笑む。


 ミリアは女の子らしかぬ寝相。ヘソを出してポリポリと掻き、未だにデレデレと寝言を立てている。


───すると。


「う…………ん?」


 ミリアはパチっと瞳を開き、目を覚ます。


「や、ミリアさん。良い夢を見ていたみたいだね?」


 アンゼシカ(真美)は腕を組み、クスっと

言ってみる。ミリアはヘソを出したおなか、寝癖が出ただらしない髪の毛。


 そして、少し沈黙して、我に返り。


「マ…………マスク・ド・aさまっ!!。私ったらっ!!」


 ミリアはヘソを出したお腹を閉じ、急いだ座り直す。


「おやおや…………」


 アンゼシカ(真美)は少し戸惑う。


 ミリアは頬をポッと赤くし、恥ずかしい様子で黙っていた。そして少しずつ、口を開いていく。


「その…………アンゼシカお姉様と一緒に過ごした夢を見ていました。けど、少し違っていて、父上や母上が生きていて、それだけではなくて、国民からの支持もあって、差別がなくて皆が寄り添った世界でした」


「なるほどね…………」


 アンゼシカ(真美)は納得し、頷く。納得するのは夢とはそんなモノだから。現実とは正反対で、良い現実が夢の中では悪い現実に。それの逆もある。


 ミリアは言う。


「彼女は花が好きでした。花を見つけたらよく、花言葉を口にしてました」


「花言葉か…………」


 アンゼシカ(真美)は思い浮かべる。確かこのゲームでは、彼女はそんな設定だった。しかし、私は花言葉には興味はない。


「彼女、特にチューリップが好きでした。マスク・ド・a様はチューリップの花言葉を知っていますか?」


 ミリアは尋ねる。


「いや、分からないな…………」


「う~ん、マスク・ド・a様、何か薄情です…………。チューリップには色によって、花言葉が違うんです。夢の中、アンゼシカお姉様が私に渡してくれたのは桃色のチューリップ、花言葉は誠実な愛。私の事はこのチューリップのように、ミリアを愛してますってっ」


 ミリアはデレデレと頬を赤くし、暴走する。


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