第46話 ミリアの覚悟
───〈冒険者ギルド・酒場〉───
アレックス達は冒険者ギルドに帰還し、報告。
「お疲れ様でした」
ギルド受付嬢のフィリーは営業スマイル。栗色の髪、青の事務シャツを着用した20代の女性である。
「あれ、いつものメガネは?」
「スペンスさんはギルドの会議に行っておりまして、新任の私が担当致します」
アレックスの質問にフィリーは説明。スペンスはギルド本部にて行われる対策会議のために国から離れており、数週間は帰ってこない。会議の内容は国内で幾多に発生している謎のモンスターやテログループの対策である。恐らく王国軍とギルド、その他影響力を持った団体と情報共有し、対処していく流れになる可能性が高い。
(……………)
アンゼシカ(真美)は思い詰める。ゲームの設定上、彼女の正体もそうだが、頭に浮かんでいるのはミリアのセリフだった………。
★★★★★
数時間前………皆が離れた場所にて。
「もし私がこの声に支配されて、何かあったら、その時は私を………」
ミリアは少し言葉を詰まらせ………1分後、口を開く。
殺して下さい………。
★★★★★
(…………私が彼女を)
アンゼシカ(真美)は両手を眺め、皆と談笑しているミリアを眺める。いつものように笑っているミリアの姿は、彼女の覚悟を見た私にはキツかった。
「どうしたんですかマスク・ド・a様?もしかして、私に一目惚れしたんですか?」
ミリアはいつものよーに乳房を上手い事を当てて来て腕を組み、デレデレと溺愛してくる。
「まあな………」
アンゼシカ(真美)はミリアの頭をポンポンと撫でる。気持ちはキツイ、こんな可愛い娘が………まるで心をキツくロープで引き締められる心境だ。
辛いのは、怖いのは彼女なのに救えない自分の無力を呪う。
はははは………。
フィリーは苦笑いし、ミリアのノリに困惑。
ミリアは普段は真面目にキリッとした性格だが、マスク・ド・aには溺愛癖がある。ついでに、マスク・ド・a限定だが、常人離れした察知能力がある。
「ま、少し残念な所はあるが、ウチのパーティでは成長盛りのメンバーだ。そしてお前は服を着ろ」
アレックスは言った、ロメロに………。
「おやいつの間に……」
ロメロは執事服からパンツ一丁の姿。冒険者ギルドに帰ってくるまではシッカリと執事服を着用していたのに、何故だろう。
「楽しいメンバーですね」
フィリーはクスクス。
「一緒にいたら疲れるぞ。ま、陰気よりはマシだが………」
アレックスは溜め息を吐き、少しだけ良いところを主張。
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