EXストーリー10
───(グリーンテンタクルス)の状態は振り出しに戻っていた。チームワークにより発揮した連携攻撃がまるでウソのように、回復していた。奴は再生能力があり、少しでも息があれば回復するらしい。
(さて、これにミリアさん達はどうでるかな?)
アンゼシカ(真美)は木の上から観察。
「何だコレは?全身に痺れと熱にめまいに、何かヤバいぞ…………」
状態異常のアレックスは、酔っぱらいのようにクルクルと回り、ロングソードを振り回していた。
変な動きをするアレックスの様子に、デビッドはクスクス笑い、手をパンパンさせる。
「さすがアレックスさんです、期待以上におもしろい動きをしますね…………」
「いや、デビッドの旦那。アレを笑うのはどうかと?」
サウルは困惑気味に言う。何故ならデビッドのS気質に引いている。
「はい、私はアレックスさんを困らせる事が好きなのです。もちろん、死なない程度ですが…………ちょっとアレックスさん、何処に行くんですか?」
「そんな事を言っても、身体が勝手にぃ~~~…………」
アレックスは吸い込まれるように、ピヨピヨと混乱し、茂みの中に入ってどっか行くのである。
「あららら、どっかに行きましたね。ま、直ぐに戻って来るでしょう…………とりあえず、戦闘を再開しましょう」
デビッドは杖を構える。
「大丈夫なのかよ?」
サウルの質問に、デビッドは言う。
「はい、今までもそうでしたから。私達の仲間であるアナタには、分かるでしょう?」
「そうだな」と、サウルは腕を組み、納得するのである。
「そんな事より、目の前にいるアレを倒さないといけませんね?」
デビッドは杖を構え、(グリーンテンタクルス)に向かい、再び臨戦体勢。
「だな、新しい手作り爆弾を試したかった所だし、このままアイツに死なれたら消化不良で悔しいしな」
サウルはバックから紫の短剣を取り出す。
「とても興味深い道具ですね?錬金術で作りましたか?」
デビッドは、サウルが取り出した紫の短剣を見て尋ねる。
「そうだよ、行きつけの錬金屋で、あらゆる素材を錬金したら出来た道具なんだ。使い方は、こうだ」
サウルは紫の短剣を(グリーンテンタクルス)に狙いを定め、投げ放つ。
───すると、紫の短剣は空中で分身。そして3つの紫の大剣となり、(グリーンテンタクルス)に突き刺さる。
次の瞬間、(グリーンテンタクルス)は断末魔の叫びを響かせ、全身から漆黒の粒子を発生させ、天に召されるように消滅した。
「…………素材は何を使ったのですか?」
「それは秘密だ。盗賊の嗜みだ」
サウルは言った。ちなみに素材は裏の素材屋にて、暗黒物質で精製された素材だ。




