後日談 おまけ49
そして………場所は王国の北西部の地域。そこは草木は生えない荒廃とした平原が広がる。枯れ果てた木、灰の砂が空気中に吹き荒れ、地面を舞っている。その先には巨大な火口を覗かせた山がそびえている。
───その場所に足を踏み入れる。
「さて、とりあえず開拓を頑張ろう」
アンゼシカ(真美)は辺りを眺め、胸を張って張り切る。
「せんぱい、張り切ってますね?さて、ここは2人でイチャイチャしながら………」
デレデレした表情でアンゼシカ(真美)にくっつこうとする絵葉の腕を引き離し。
「何を言っているのですか?みんなで、この地を開拓するのでしょう?」
ミリアは言った。
「何で女王陛下のアナタがここにいるんですか?」
「こう見えても私は現場主義なのです。自ら現場に赴き、そして対処するのが私の流儀です」
ミリアは言った。
(まったくこの子は………)と、呆れるアンゼシカ(真美)。何故ならここに来るとき、アルフレッド陛下と揉めたからだ。バチバチと、ミリアと絵葉は睨み合う。
「お前達だけではないぜ」
「この声は?」と、ミリアは声の方を眺める。
この場所に駆け付けたのは、アレックスとデビッド、そして小さな翼。
「皆さん………」
「俺達もいるぜ」
次に駆け付けのはサウル。ちなみに妹のリーシャとは別行動となり、不在。
「私達もいます」
そしてロメロが駆け付け。その隣には。
「お久しぶりです。ミリア・ミア・シュバルツ女王陛下、こうして再会できて、嬉しい限りです」
ホセ・ヨハーソン公爵である。
「どうして皆さん?」と、再会に驚くミリア。
「俺達は王国の依頼でね。この地を開拓する際、凶暴なモンスターがたくさんいるからそれの討伐だ」
アレックスは言った。
「俺らはアレだ。開拓地にいるモンスターの素材、あとはあの山にある鉱山や宝石。あと、ドラゴンもいそうだな………」と、サウルは火口を覗かせた山を眺める。
「一方の自分は、国王陛下から直々にこの開拓地の領主として任されたのでね。その下見を兼ねてでございます」
ホセはお辞儀し、答えた。
「皆さん………」
感極まり、涙を流すミリア。何故ならこうしてかつての仲間達と再会できて、嬉しいからだ。
───すると、この一帯を響かせる程の咆哮の叫び声が広がり、ビリビリさせる。
「ったく、一筋縄ではいかないようだな。コイツは楽しめそうだ………」
ロングソードを抜くアレックスは火口を覗かせた山を睨みつける。
「では、ホセ公爵様。行って参ります」
ロメロはホセ公爵にお辞儀。
「それじゃ、行こうとするか?」
サウルは張り切る。
「では、行きましょ皆さんっ」
何故か絵葉が仕切る。
───誰だか分からないが、皆は火山に向かうのである。私は、これからも………命を分けて貰ったこの世界で、愉快な仲間達と一緒に生きていく。
「せんぱい、はやくぅ〜〜〜」
「ハイハイ………今行くからっ」
私は………走る。




