後日談 おまけ46
数日後、場所はマイキー公国の首都の中央広場。
広場にいるのはいつもの3人。ミリア、絵葉、そしてマスク・ド・aだけだ。
「ミリア様………たまには王国に戻っては見られてはどうですか?」
メルディは言う。日常的に吸ったり吐き出す息のように………内心、うんざりしかしない………。何故ならこの言葉をコイツ(ミリア)に言った回数は100は超える。そしていつものように(イヤです)と返され、拒否される。王国にいるアルフレッド(陛下)には定期的に命令され、決まって私は(説得に努力しています)と、申し訳なく返すのである。
メルディの言葉にミリアは。
「いいですよ。王国に帰ります」
そうそう、王国に………。
「えっ?今、何て?」
耳を疑い、メルディは再びミリアに同じ質問を投げかける。これは幻聴か?自分は疲れていてついにおかしくなったか?と、軽くパニックになる私。
同じように投げかけるメルディの質問に、少しバカにされた気持ちになったミリアはムスッと頬を膨らませ。
「で・す・か・ら………王国に帰りますって言っているのです」
ミリアは言った。
「それは………本当なのですね?」
思わず同じ質問をするメルディ。
「はい、本当に本当です」
ミリアの言葉に、メルディは安心した様子。ホッと胸を撫で下ろし、祈るように両手を合わせる。
「良かった………やっとこのくそアマ………いや違った………ミリア様が王国に帰ってくれると言ってくれた。メルディ・ディアス、嬉しい限りです………」
涙を流すメルディ。
いま私の事をくそアマって言った気が………まぁ、良いわ。
「私が王国に帰ると言ってそんなに泣く事ですか?」
ミリアは、皆に尋ねて言うのである。ミリアの問に、他の2人はお気の毒に………。と、思わんばかりに頷くのである。何故ならメルディ、ちょくちょく陛下から小言を言われていたらストレスが半端ない。
すると絵葉は何かを察知し、顔を上げて空を見上げる。
「あ、コレはまさかの………」
空全体は先程までは快晴の青空が広がっていたが、ミリアが普段はあまり言わない言葉により、曇り雲が発生していた。曇り雲は大きく出現し、灰色に空全体を覆いつくし、まさかの………。
「何だ、急に空が曇り空になって、どうなっている?」
メルディは言う。
「来ます。とりあえず、渡しておきます」
絵葉はメルディ、アンゼシカ(真美)に傘を渡すのである。
───そして。
ポタポタと………空からは大雨が地面に降り注ぎ、灰色に染めていく。
「ね?」
絵葉は言う。メルディ、アンゼシカ(真美)。そして絵葉は傘をバサっと広げ、雨を凌ぐ。ま、アレだ………珍しい言葉を言うと雨が降る現象だ。




