第44話 オークの討伐
ミリア………みリあ………ミ………しゅば………
ワレにミを………ココロを………
ツルギを………ワレを解放せよ………。
謎の声、日に日に強くなってきている。まるで成長の早い雑草のように………。小さかった根が少しづつ、少しづつ、そして広範囲に行き渡る。
謎の声は禍々しく、時に何故か懐かしい雰囲気を漂わせている。無視をしているが、その声は消える事はない………。次、心の中に映し出されるのはとある景色。
そこは広大な砂漠。空は気が滅入りそうな灰色の空、灰色の砂原が行き渡り、何も無い景色だ。
そこに存在するのは黒い巨影、全身は炎のように揺れ、地鳴りのような威圧感を漂わせている。
────ミリアッ!!
───ッ!!
アレックスの声に、ミリアは我に返った。
場所は東部地域。山々に囲まれ、緑が生い茂る街道にて、オークの大規模組織の討伐中である。
アレックスはオークの剣を剣で受け止め………。
「戦闘中にボサッとするなッ!!」
アレックスは怒号。
「氷結の処刑撃ッ!!」
デビッドは詠唱。4体のオークの足下に氷を出現させ、氷のトゲを一斉に展開し、氷結。
「そらよっ」と、サウルは袋から植物爆弾を放り投げ、3体のオークにヒット。爆弾がヒットしたオークは全身にパキパキとツタが侵食し、帰化。
「ふんっ」
ロメロは5体のオークに拳撃。拳撃を受けた5体のオーク達は一斉に吹き飛び、木や地面、岩に叩きつけられる。
オークの大規模組織の数は計り知れない。最近、東部ではオークの被害が多発している。誘拐や物資略奪、奇襲などが頻発し、頭を悩ませている。
ギルドがランクBレベルの事態として受け止め、依頼を募集した。紛争クラスの依頼の為、報酬額は高い。
メンバー達は次々とオークを撃破していく………。街道辺りはオークの死骸が行き渡り、戦況は優勢。
アレックスは1体のオークを両断した。と同時。
────ッ!!
艷やかな黒い鎧を装備したオーク。身長は3メートル、筋肉の塊のような体躯をしており、武器はハルバート。恐ろしく、組織のボスオークである。子分達を殺され、怒りに満ちている。
「親玉の登場か………」
アレックスはロングソードを構える。そしてメンバーは次々と応戦体勢。
すると………。
────ッ!!
ボスのオークが背後から赤黒い刃で貫かれ、全身が赤黒い炎で燃え上がる。
メンバー達は騒然………何が起こっている。
ボスのオークは全身に赤黒い炎の鎧に変異した。
次に………街道に行き渡るオークの死骸が赤黒い炎が燃え盛り、そして次々と赤黒い炎のオーラを漂わせ、復活した。
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