後日談 おまけ44
その頃、クロフォード王国の城にて。場所はキラキラと輝き、色彩豊かなカーテンにカーペットが広がる気品高い書斎室。現クロフォード王国陛下のアルフレッドは机に腰掛け、連絡役の側近兵士に尋ねる。
アルフレッド陛下は国内にある様々な組織や機関、から送付される書類に全て目を通してサインを記入する。送られて来くるのは機密性が高い申請書類、承認書類、確認書類………稀に軍を起動させる為の命令権の書状や。何をしたのか分からないがあらゆる強制執行措置の書状など状況やタイミングを読み、様々な書類に許可する。
国王陛下は多忙だ………国民1人から国全体を、自身の一声で命運を決めてしまう役職に重圧で押し潰されてしまいそうである。
今ではアルフレッドは国王陛下、かつてはカイエン家の侯爵貴族の長男坊。復権したミリアに求婚し、今では国王陛下に就任した。
「ミリアの説得はどうなっている?」
アルフレッドの言葉に、連絡役の兵士は敬礼して返す。
「それが………まだ説得は出来ない様子であります」
兵士の報告に、アルフレッドはため息をつき。
「そうか………今は南の大陸にいるんだな?」
アルフレッドは言う。ある程度、ミリアの状況は把握している。数々の事件を解決したり、知らないまま国家間の協定を結んだりして、こちらは法整備などで毎回、会議などを実施して大変だ。
「そうでございます。その、女王陛下から活動写真を送られて来ますが、拝見致しますか?」
兵士はペーパーナイフでスパっと切り、袋から写真を取り出して陛下に差し出す。
アルフレッドは写真を1枚、1枚………と、眺める。
「ふむ、元気で何よりだ………」
安心するアルフレッド。写真に映るミリア、マスク・ド・a。あとはこっちの娘は見覚えはないが、悪い人ではなさそうだ。
さらにアルフレッドは命令する。
「このまま………滞在する女王陛下の安否を注視しつつ、現地にいるメルディ将軍に説得するように通達しておいてくれ」
兵士は敬礼し。
「了解しました」と、書斎室を退室する兵士。
たまには王国に帰って来て欲しいモノだ。と、誰もいない書斎室にて、ため息を吐いて願うのである。
★★★★★★
その頃、南の大陸。マイキー公国とアレクサンドル帝国の国境にある王国軍基地。
基地にある通信室にて。
「了解しました。こちらで努力します」
魔導電話の受話器を取り、王国から命令を受けるメルディ将軍。その様子はうんざりし、呆れ果てながら………。正直に言えばこの王国からの連絡はコレが多く、私やマスク・ド・aが説得しても(したいことがある)と、ミリアが全然聞かないから嫌になる。




