後日談 おまけ39
アンゼシカ(真美)は腕を組み、奴等を眺めていた。
彼等の名は真紅の戦旗。主に公国の東部と南部の紛争地域に介入して活動する傭兵部隊だ。革新的な思想を好み、依頼する者も左派の輩が多い。戦闘面での質はどこかの国の軍隊のエリート部隊レベルはあり、そこそこ高い。奴等から漂わす威圧感を察すれば、それなりの修羅場を潜っているのが分かる。しかし、場合によっては人身売買に手をつけるので、外道の面も兼ね備えている。
しかし、私(真美)はあえて見守る。何故ならミリアに「ここは任せて下さい」と、止められたから。ここで私(真美)が戦闘に加われば瞬殺できるが、それではミリアの成長の為にはならない。
「せんぱい、私も少なからずミリアさんをサポートします」
と、絵葉はビシっと拳を構えて臨戦体勢。主に魔法でのサポート兼、拘束。
───真紅の戦旗のメンバーの中に。
「我が親帝国派の仇、果たさせてもらうっ」
ロングソードを構え、かつて私達が壊滅させた親帝国派の残党が参加しており、軽く憎まれている。
「クロフォード王国の女王陛下に悪いが、ここで消えてもらう………」
そして戦闘開始。なお、この空間には予めに防音の障壁魔法が展開しており、外部には聞こえない。いつものように剣を交え、激戦を繰り広げられる………ハズだった。
それから………。
「ぐっ…………動かないっ………」
真紅の戦旗の全メンバーの足元に石化系の詠唱陣が描かれ、ピクピクと動けない。足先から太ももへ、ピキピキと音を響かせて侵食していく。
絵葉は唱えながら言う。
「戦えない私ですが、状態異常の魔法は日々鍛えているのですよ………そして今日は、レパートリーを増やす為に石化系にしましたのよ………」
状態異常のレパートリー?魔法が使えて頼もしいというか、恐ろしいというか………。絵葉の主張に、少し心配になる私。
徐々に石化に侵食され、兵士達の恐怖の声が………。
「さて、降伏しますか?このままですと、石になりますよ?」
降伏しますっ!!
皆は言った。
「では、拘束します………」
───そして………場所は教会前。
「ご協力、ありがとうございます」
公国軍の公安兵は敬礼。一方の真紅の戦旗のメンバー全員は気絶し、医療部隊が搬送していく。
理由、絵葉が魔法を簡単には解除せず、「あ、間違えた………」と、言って覚えたての沈黙、毒、暗闇等の状態異常の魔法を比べて遊んでいた為、彼等はボロボロになり、早く逮捕してくれ。と、嘆願された。
なお、このあと東地区全土はミリアのひと声により、行政改革されて環境や治安、そしてあらゆる福祉が改善された。




