後日談 おまけ38
チカチカとオレンジの灯りが広がり、訓練場ほどの規模がある部屋に入れば、商品である4名のガキが目隠しされたまま座らせてある。後は届け先ごとに仕分け、それぞれの場所に出荷するだけである。
───なに簡単だ………ただ出荷するだけだ。コチラは仕事、商品が泣こうが喚こうが俺達には何の感情も関係ないのだから。
あとは高級な酒場にて、商品を売った金で豪遊する。ハズだった………。
「残念だったわね?」
部屋にいたのは金髪の女性、ミリアはロングソードを片手で突きつけてくる。
「何だキサマらは?」
部屋には3人の女性達。共産主義の人達、子供達が皆帰ったあと、教会の中を隅々まで調べさせてもらったのだ。それで、教壇に擦り跡が残っていたので、調べたら地下に続く大広間を見つけた訳だ。地下にこんな広い場所があってビックリしたけど………。
団体の男性は怒号を響かせ、尋ねる。
「私はクロフォード王国女王をしているミリア・ミア・シュバルツ」
「そして絵葉」
「一方の私はマスク・ド・aです」
3人は自己紹介。
ミリアの正体に、皆は驚愕。そして屋内をキョロキョロと眺め………。
「クロフォード王国の女王陛下だと?」
「それに、商品のガキ共がいない?………」
団員の異変に、ミリアは説明する。
「アナタ達がここに来る前に解放しました………。マイキー公国共産主義、表向きは革新派団体で活動し、その裏では子供を人身売買をしている犯罪組織………行政では見捨てられているこの地区の事情に目をつけ、そして貧困層の子供達に教養と食糧を与えての信頼を築いてその後、誘拐して人身売買の商売にする。それがやり方ですよね?」
ミリアの推理に、団体はケラケラする。
「だったらどうする女王様………君も見ただろ?この町は貧富の差があって、首都の表は観光や産業で栄える一方、裏ではこうやって貧困層は追いやられて差別されている。まるでゴミのようだろ?知識もなく、食事もないし親もいない連中や捨て子がたくさんいる………それで俺達が新しい住まいに案内している。何が悪い?」
団体の男性は正当性を主張。
「だからと言って、アナタ達のやる事が許される訳がありません。お縄について下さい………」
ミリアは言ってロングソードを構える。しかしミリアのセリフに団体達は………。
「ハハハハ、誰が逮捕されるかよ………ガキ売って、こんなボロい商売を誰が手放すかよ………」
マイキー公国共産主義の人達はバサッと………マントを脱ぎ捨て、甲冑姿に変身して戦闘体勢。そのメンバーの中にかつてミリア達に滅ぼされた元親帝国派の人間もいる。彼等は詠唱陣を描き、ロングソード、魔法杖、ランス、大槌を取り出し、武装。
彼等の本職、それは左派思想の傭兵グループだ。主に文化破壊、改革運動、宗教否定の活動をしている。




