後日談 おまけ37
その夜………(華の吐き捨て場)の通りは物騒だ。安酒場から出てくるのは、バカ笑いを響かせる酔っぱらい、理由不明の取っ組み合いのケンカ。あとは路上に横たわる人が支離滅裂な叫び声を響かせている。まずこの地区は見放されている為か保安員がいないから治安は悪い。殺人などが起きないと行政は動かない。
「さてと、仕事に入るか………」
───場所は教会の入口前………カラスのような漆黒のフード付きマントを着用した複数の人達が教会の中に入る。
何処か怪しい雰囲気を漂わせ、暗闇に包まれた礼拝堂に団体が集まり、色彩なステンドグラスに見下される中、そしてズズッ………と、教壇を横に移動する。教壇の下、そこには地下に続く階段がほの暗く伸びている。
地下階段を降り、コツコツと足音を響かせて廊下を歩く漆黒のフード付きのマントを着用した団体。
団員の1人が口を開く。
「商品の買い手はついてるか?」と、尋ねる。すると団員は。
「少年3人のうち2人は帝国にある鉱山工のタコ部屋労働の作業送り。1人はイカれた趣味の男性の資産家だ」
「おいおい………あそこの資産家、この前もガキ1人を買わなかったか?」
団員は質問する。
「何か、色々とやって壊しちまったらしいよ。そんで、またガキ1人が欲しいから依頼してきたよ」
奴は下衆な笑い声で返した。
「マジかよイカれてるぜ、これで何度目だってぇ~~~の。ま、そのおかげで儲けてるから、感謝感激だな」
「だなだな。それに………この地区は町の行政に見捨てられているからボロい商売だよアハハハハハっ」
「首都のメインストリートは観光地で栄えているのに、まるでこの地区は肥溜めみたいだなっ」
「逆に俺達に感謝してほしいくらいだな。食糧を与えて、学も無いガキ共に勉強を教えていたんだからよ」
「あとは、住む場所もな。運が良ければ金持ちの奴に引き取られるからよ、ケハハハハハッ!!」
「それで俺達は儲り、売られたガキも家も食事も与えられてお互いウィンウィンだなハハハハっ」
団員達はクソみたいな会話で花を咲かせていた。ちなみにこの商売仕分けが終わったら観光地にある高級酒場にて、酒を飲む予定だ。
───そして、重厚なドアの前に突き当たる。その鉄製のトビラはまるで、魔界の門である。
「さてと、商品のお待ちかねだ………」
「いざ、明るい未来へご案内ってか?」
団員達はケラケラとゲスの笑みを浮かべ、ドアノブに手を伸ばす。扉の向こうは地下広間、部屋の規模は数十名の兵士達の訓練場くらいはある。その室内には、騙して誘拐した商材の子供達が待機している。




